水力発電比重の拡大が石炭コストリスクを軽減、11年には全体の27%弱に

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
02380 中国電力国際発展有限公司(チュウゴクデンリョクコクサイ) 1.58 HKD
(01/21現在)
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中国電力国際の正味発電量は、2010年に前年比32.5%増の460億キロワット時(kWh)に達した。石炭火力発電が同5.5%増の352億kWhで、他に水力発電が108億kWhに上った。BOCIは水力発電部門の貢献が同社全体の石炭コスト増大リスクをある程度軽減させる見通しを示しながらも、天候などに絡む水力発電部門の不安定感が利益の下振れにつながる可能性を指摘している。新規施設の稼働を受け、同社の発電量全体に占める水力の割合は2011年に前年を上回る26.6%に達する見込み。BOCIは最新リポートで同社目標株価をやや引き下げ、株価の先行きに対して中立的な見方を継続した。

前年実績の高さから、同社の発電量は2011年に減速する可能性が高く、BOCIは前年比10.8%増の534億kWhを予測している。うち水力は同21.9%増の142億kWhに達する見通し。また、水力発電部門のEBITDA(利払い・償却・税引き前利益)マージンについては2011年に27.8%と、前年予想の20.8%を上回るとみている。

BOCIによれば、同社現在株価の11年予想PBR(株価純資産倍率)は0.6倍と、最低水準レベルで推移している。また、同社の11年の予想ROA(総資産利益率)は同業平均(7.7%)を下回る5.4%にとどまる見通しという。

一方、同社のリスク要因の一つは、政府当局が電気料金の値上げ時期を先送りする可能性があること。さらに石炭生産者が発電用炭契約価格を遵守せず、値上げを行う可能性が浮上している。石炭スポット価格が急速に上向く中、契約価格がほぼ前年比並みに据え置かれたことが背景。さらに天候不順などの影響で、水力発電量が予想を下回る可能性が指摘されている。