ファンダメンタルズ良好、販売増とガス管接続料金の上昇を予想

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
2688 新奥能源(イーエヌエヌ・エナジー・ホールディングス)  24.9  HKD
(1月20日現在)
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BOCIはこのほど、ガス販売量の拡大とガス管接続料金の上昇を理由に、新奥能源の目標株価を大幅に引き上げた。また、同社が昨年上半期のような優良プロジェクトの買収を継続するとみて長期の販売量の伸びを予想。同社株価の先行きに対して強気の見方を継続している。

BOCIは同社の規模や自律成長型ビジネスモデルが安定的なキャッシュフローにつながると指摘。同社株価が同業銘柄に対するプレミアムに値するとの見方を示した。同社が保有するプロジェクトのうち、融資を受けたのはわずか8件で、その他は借入れゼロ。負債比率の低い同社はバランスシートに影響を及ぼすことなく、事業を拡大する余地が大きい。同社は現在、2012年8月に償還期限を迎える2億米ドルの社債(償還期限7年、固定利率7.375%)を抱えるが、格付け会社S&Pが最近、同社の信用格付けをBB+からBBB-に引き上げたのに伴い、BOCIは資金借り入れコストに関する想定値を調整した。S&Pは格付けの引き上げの理由として、力強いガス販売の伸びや中国都市ガスセクターにおけるポジションの強化などを指摘している。

BOCIは同社経営陣が示した見通しに基づき、天然ガス販売量、住宅向けおよび工業・商業物件向けガス管接続料金に関する想定値を上方修正した。また、長期のガス販売量伸び率に関する想定値を5%の幅で上方修正。ガス輸送パイプラインやLNGターミナルなどのインフラ整備が進むのに伴い、同社の販売量の伸びが続く見通しを示した。国内の住宅市況は中国政府の不動産過熱抑制策を受けて減速しているが、政府はその一方で、低所得者向けの公共住宅開発プロジェクトを強化しており、この政策が同社の追い風となる見込み。中小都市部を中心とした公共住宅建設を背景に、ガス管接続事業の貢献が続く見通しが示されている。

中国国内では、同社はガス需要の大きい広東省や潜在成長率が高いエリアでのプロジェクト獲得に力を入れている。一方、同社はすでに、ベトナムで海外初の都市ガス合弁事業を獲得。経営陣はさらにフィリピンでの事業取得に目を向けており、今年中に実現する可能性に言及している。

一方、コスト増分の価格転嫁が必要とされる都市ガス・プロジェクト26件のうち、非住宅向けガス価格への転嫁が行われていないのは1件で、住宅向けガス価格への転嫁が実現していないのは8件。天然ガス坑口価格が昨年6月に1立方メートル0.23元値上げされた後、川下価格への転嫁が進みつつある。住宅向けの転嫁はやや遅れているものの、同社の場合、非住宅向けの販売比率が約71%に達しており、BOCIはマイナス影響は限定的との見方。また、同社経営陣は住宅向けの価格転嫁が仮に今年6月までずれ込んだとしても、利益への影響は1.3%程度にとどまるとしている。