11-12年の利益率改善を予想、自社炭鉱の貢献で石炭価格高騰に抵抗力

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00991 大唐国際発電(ダータン・インターナショナル・パワージェネレーション)  2.78  HKD
(1月20日現在)
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大唐国際発電のEBITDA(利払い・償却・税引き前利益)マージンは、2011-12年に改善傾向を示す見通しとなった。自社保有の炭鉱による力強い貢献を受け、コスト軽減が見込まれることが背景。また、2010年上期のA株第三者割当増資の実施に伴い、純負債比率は2010年の412%から、11年には366%に低下するとみられている(いずれもBOCIの予想値)。BOCIは2011年に標準型石炭価格が前年比2.1%高の1トン当たり631.90元に達すると予想。これに伴い目標株価を引き下げる一方、同社株価の先行きに対して強気の見方を継続している。

同社の火力発電容量は、2011年に権益持ち分換算で2万2843メガワット(MW)に達する見込み。他に水力、風力発電容量がそれぞれ3242MW、808MWに達すると予想されている。また、同社はこのほど、葫蘆島原子力発電所(遼寧省:1000メガワットの原子炉6基)の加圧水型原子炉2基の建設をめぐって国家発展改革委員会から認可を得ており、今後は原発部門のウエートが拡大する見通しとなった。

BOCIは2011年の石炭平均価格に関する想定値を前年比2.7%高の1トン当たり628.4元に上方修正する半面、コスト管理の強化を理由に、同社の営業利益率が2011年に15.7%、2012年には17.1%に上向くとみている。

BOCIによれば、同社現在株価の11年予想PBR(株価純資産倍率)は0.8倍と、同業平均を約16%下回る水準。その一方で、同社の11年の予想ROA(総資産利益率)は同業平均(7.7%)を上回る8.1%に達する見通しという。

このほか、同社のリスク要因としては、石炭生産者が2011度分の発電用炭契約価格を遵守せず、一部値上げを行う可能性が指摘されている。石炭スポット価格が上昇する中、契約価格がほぼ前年並みに据え置かれたためで、仮に契約価格の引き上げが行われた場合、石炭コスト全般が膨らむ可能性が出ている。