1月14日 「オーバーウエート」
2011年の業界予想成長率は17%、掘削機の成長余地に期待

先ごろ開催された「BOCIハイエンド設備製造会議」に、建設機械業協会の主席顧問および同協会掘削部門の事務局長が出席。両者が2011年の業界見通しについて解説した。

建設機械セクターは2010年1-11月も好調を維持。主要企業の売上高は前年同期比52.3%増、販売台数は63.9%増に達した。

同セクターの中では特に掘削機の成長が今後期待されるという。掘削機は建設機械の中でも中国メーカーのシェアが比較的低い分野であり、今後の成長余地が大きい。2010年1-12月に国内で販売された油圧掘削機は前年比78.25%増の16万5804台。このうち外国メーカーのシェアは71.7%。

首位は日系メーカーで販売台数は5万9029台、シェアは35.6%(前年比2.14ポイント減)。韓国系メーカーがこれに続き24.5%(同1.12ポイント減)を占めた。韓国系のDoosan China(斗山)は2万2112台を販売。Komatsu China(コマツ)をわずかに下回った。欧米製品のシェアは11.03%(0.59ポイント増)と低水準。

中国メーカーのシェアは28.30%(4万6928台)。国内大手11社の販売台数は2009年に比べておよそ100%増に達している。国内メーカーの販売首位は三一重工(600031)で1万4154台。小型掘削機の大手の玉柴重工は7483台だった。

中国の都市化率は1989年の26.21%から20年後の2009年には46.6%に達した。過去5年間に年間平均0.97ポイント上昇している。特に中部および西部には都市化の余地が大きく、現在の40-42%から2015年には48-50%に達する見通し。2010年の掘削機の需要は都市化の進ちょくを反映し、中部および西部がけん引した。

都市化率の世界平均値は50%を超え、先進国では70%に達している。これに比べると中国の都市化率は低く、インドネシア、メキシコ、ナイジェリアを下回っている。中国の都市化は今後急速に進むとみられ、インフラ整備に欠かすことのできない掘削機の需要は大いに高まることが予想される。

中国はすでに掘削機の主要生産国かつ主要市場であるが、核心となる技術や主要部品の国内開発は遅れている。業界は主要部品の国内製造を推進しているものの、2006-10年は部品の多くを輸入品に頼っていた。2010年以降、掘削機分野では世界的な部品不足が課題になるとみられ、生産量の拡大を目指す中国企業にとって部品不足は大きな打撃となる。

業界関係者は2011年も建設機械セクターの成長を楽観視。2010年に比べて減速するものの17%程度の成長を見込んでいる。