年初から25億HKドルの契約獲得、本土の「低価格住宅」プロジェクトが追い風

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
03311 中国建築国際(チャイナ・ステート・コンストラクション) 7.54 HKD
(01/11現在)
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中国建築国際は2010年に前年比45.8%増となる総額249億HKドルの建設請負契約を獲得したが、今年も年初から25億1000万HKドル相当の新規契約を受注するなど好調。同社経営陣へのリサーチを行ったBOCIは新規契約獲得における同社の高い能力をあらためて評価。割引キャッシュフローモデルの見直しに伴い目標株価を引き上げた上で、同社株価の先行きに強気の見方を維持した。

BOCIは第1四半期中に、同社が天津市あるいは重慶市で「保障型低価格住宅建設プロジェクト」に絡む新規契約を追加取得する可能性があるとみている。中国政府は昨年末、保障型低価格住宅プロジェクトの目標建設戸数を680万戸から1000万戸に大幅に引き上げたが、BOCIは同社がこのプロジェクトから恩恵を受ける代表的な銘柄になるとの見方。香港での公共住宅建設における実績が、中国本土での契約獲得において同社の優位性につながっているとの見方を示した。また、同社経営陣が月次の業務統計を毎月第2週目に公表する方針を示していることも前向きに評価し、透明性の高さが株価の押し上げ要因となる可能性を指摘している。

同社は2011年の年明けからわずか2週間で、香港、広東省珠海市、マカオ、インドで総額25億1000万HKドルの契約6件を受注した。香港での受注には香港ポリテクニック大学の第8期開発(契約額8億6000万HKドル)や新界白石角開発エリアTPTL186の住宅建設事業(6億6000万HKドル)などが含まれ、香港以外のプロジェクトはインドの高速道路建設(3億9000万HKドル)、珠海市の住宅建設(4億HKドル)、マカオの住宅建設(1億HKドル)など。BOCIは各プロジェクトの粗利益率が6-8%前後になると予測し、新規受注6件が2011年通期の予想売上高の6.5%を占めるとみている。

一方、同社の2010年の新規受注は前年比45.8%増の総額249億3000万HKドル相当に達した。この数字はBOCIの予想を2%割り込んだものの、経営陣が事前に設定した目標額(200億元)を24.6%上回る水準。地域別では、中国本土での新規契約が前年比32%増の78億HKドルに達し、全体の31%を占めた。また、これで昨年末時点の受注残高は355億HKドルとなり、同社の受注残カバレッジ・レシオ(10年末の受注残高÷10年通期の予想売上高)は2.5倍と、同業銘柄の平均値約1.9倍を上回る水準に達している。