飲料部門が11年度上期に88%増収、食品・飲料事業の先行きを楽観

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00904 中国緑色食品(控股)(チュウゴクリョクショクショクヒン) 7.80 HKD
(01/07現在)
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中国緑色食品の飲料部門の増収率は2011年度上期(10年10月中間期)に前年同期比88%に達し、10年4月通期の74%から一段と加速した。主に健康飲料の販売増が背景。BOCIはこの勢いが下期も続くとみて、通期の売り上げ伸び率を75%と予測している。BOCIによると、ブランド飲料部門は中期的に同社の成長エンジンとなる見込み。穀物や野菜を主原料とする同社の飲料製品は健康的なイメージが強く、健康志向の高まりが非炭酸飲料事業の追い風になる見通しという。飲料部門は現在、「China Green」ブランドで3カテゴリー、200種以上のフレーバーを展開するが、今後も開発強化を通じて製品のラインアップを拡充する方針。一方、飲料部門の設備稼働率は約80%の高水準にあり、年度末の4月までには福建省泉州工場の第2期ラインと河北工場が全面稼働する予定。10年10月に7万2000トンだった年産能力が12万トンに拡大する。

また、同社は現在、販売ネットワークの拡大を進めている。ブランド飲料販売全体の90%を占める販売代理店網(現在約1000店規模、残り10%はスーパーや外食店への直接販売)をさらに拡充する方針。すでに販売網を確立した東部や中部に加えて北部と南部の開拓を進め、全国規模のネットワークを構築する。

一方、生鮮食品部門では年率10-15%のペースで耕作地を拡大させる計画で、総面積は10年10月の9万2700畝(1畝=667平米)から、11年4月には10万6000畝に拡大する見込み。生鮮食品の平均販売価格は11年度上期に9%上昇し、同部門の売上高は18%増。経営陣は、下期もほぼ同じペースの価格上昇を予想し、通期で15-20%の部門増収を見込んでいる。また、販売価格の上昇を受け、粗利益率は前年同期を4.9ポイント上回る50.4%に達しており、BOCIは当面この水準で推移すると予測している。

食品加工部門は年度上期に5%増収を確保し、経営陣は通期で5-10%の増収を見込む。年度下期は例年、加工食品需要のピーク期に当たるが、マクロ経済環境の変化を受け、前年までの20-30%の伸びが減速する見込み。輸出においては中東などの新市場開拓が最大市場である日本向けの落ち込みをカバーしたが、同社は輸出志向から国内志向への転換を進める方針という。また、加工部門の設備稼働率は現在70-80%に達しており、11年度末までには年産能力を58万トン(前年同期比11%増)に拡大する計画。

BOCIは11年度上期の食品・飲料部門の好調を受け、12-13年度の利益見通しを上方修正(11年度は転換社債に絡む為替差損計上を理由に下方修正)。11-13年度の増益率が年率18.8%に達する見通しを示し、同社株価の先行きに対して強気の見方を継続した。一方、同社株価は10年度通期決算の発表予定日を延期したことで、昨年8月に急落し、今もそれ以前の株価水準を回復していないが、BOCIはコーポレートガバナンス改善に向けた同社の対策が投資家信頼度の回復につながるとみている。