1月7日 A株「オーバーウエイト」
2010年は飛躍的に成長、今後は大手メーカーが強さを発揮し活況を維持

2010年には家電市場が大幅な成長を示した。エアコン、冷蔵庫、洗濯機の売り上げが飛躍的に伸び、家電大手の業績は40%超の増益を達成。省エネ政策や、農村部への家電製品普及キャンペーンを追い風に白物家電市場のブームは今後も続くとBOCIはみている。中国の家電事情は第12次5カ年計画(2011-15年)の期間中に大量生産から品質重視へと移行するとみられる。白物家電市場では企業淘汰とブランド認知が進み、今後は大手メーカーがより強さを発揮する展開が予想される。

レーティングの要因

  • 10年1-11月のエアコン、冷蔵庫、洗濯機の各売上高は前年同期をそれぞれ54.4%、41.8%、40.4%上回った。国内販売および輸出量は2008年の金融危機前を超え、過去最高水準に達している。
  • 11年も以下の3つの要因によりの白物家電市場の活況が続く見通し。1)省エネ政策や省エネ技術の進歩で都市部の需要が拡大。2)国内の都市化が進み、市場が拡大。3)地方へ家電製品普及政策が新たな市場を開拓。潜在性の高い地方市場が白物家電市場の持続的な成長の原動力になる。
  • 中央政府は第12次5カ年計画期間中に世界的に競争力のある家電メーカーを3-5社育成するという明確な目標を掲げている。業界再編が進み、向こう数年間は大手がさらに強さを増す状況が見込まれる。
  • 白物家電セクターの11年予想バリュエーションは16倍と過去最低水準にある。

リスク要因

  • 世界経済と人民元相場の急変が輸出に影響。
  • 業界に影響する政策の変更。
  • 原材料価格が過度に高騰し、家電メーカーの利益率を圧迫。

推奨銘柄

  • BOCIは家電大手の珠海格力電器 (000651) 、青島海爾(600690)、広東美的電器(000527)の成長基調を楽観視。業界の成長ペースの速さと現在のバリュエーションの低さを踏まえ、3社の株価見通しを強気の見方に据え置いている。トップピックは珠海格力電器。バリュエーションが最低水準にある点と潜在性の高さを評価した。