ワイン部門の販売量減と原材料コスト高が業績に影響、2011年予想利益を下方修正
現地コード | 銘柄名 | 株価 | 情報種類 |
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00506 | 中国食品有限公司(チャイナ・フーズ) |
4.96 HKD (01/03現在) |
株価 企業情報 チャート |
BOCIはチャイナ・フーズの業績見通しについて、ワイン部門の流通改革の影響による一時的な販売量の落ち込みから回復が遅れている点を注視。さらに、ワイン部門の業績回復後には、飲料部門および食用油部門の原材料コスト高が影響するとみて、2011年の予想利益を35%引き下げ3.5%減益とした。10年(19%減益)、12年(88%増益)については予想値を維持。株価見通しは弱気の見方に据え置いている。
チャイナ・フーズは効率化を目指し、10年1-3月期にワイン部門の流通システム改革に着手した。しかし大手販売業者と新システムでの契約更新を完了したにもかかわらず販売量の回復が予想以上に遅れ、10年下期も前年同期を10%超下回ったとみられる。BOCIは改革が軌道に乗って効果が表れるまで2年かかるとみて、販売量の予想値を下方修正。ただ、新契約でのワインの工場渡し価格が改革前よりも10-20%上昇している上、11年にはぶどうの不作によりさらに10%の値上げも見込まれていることを踏まえ、10年の予想売上高を前年比21.8%減から3.6%減に上方修正した。同様に11年の予想売上高についても29.3%増から45.1%増に引き上げている。
国内ワイン業界は成長基調にあり、10年1-10月の生産量は前年同期比16.6%増、同1-8月の業界売上高および純利益はそれぞれ同25.5%増、28.0%増に達した。チャイナ・フーズの業績はこれを大幅に下回る水準で、改革が遅れればさらなる格差が予想される。また、輸入ワインの人気の高まりから国産ワインのシェアが下降傾向にあり、国内ワインメーカーにとって輸入ワインとの競争が大きな課題となっている。
一方、コカコーラの国内ボトリング事業を行う飲料部門の10年業績は、ほぼ横ばいだった上期から、猛暑により下期に回復。米コカコーラの発表によると、中国でのケース単位販売量は上期に6%増にとどまったものの、7-9月期は12%増に達した。BOCIは飲料部門の10年販売量伸び率を10%から12%に上方修正。11-12年はそれぞれ17%、14%に据え置いている。ただ、原材料の砂糖とPET樹脂の高騰で利幅が縮小する見通しで、BOCIは10-12年予想EBITマージンをそれぞれ4.8%、1.5%、5.4%としている。コカコーラは先ごろ、ジュースブランド「ミニッツメイド」の値上げを検討していることを明らかにした。他社に先駆け今年初の値上げを実施するもよう。中国ではシェアの高い炭酸飲料および「ミニッツメイド」を6%値上げし、茶飲料の価格は据え置くとBOCIは予想。値上げによるシェア低下の可能性も指摘している。
食用油大手4社は、物価安定を目指す当局により今年3月まで4カ月間の価格凍結を指示されている。チャイナ・フーズは昨年11月に10%の値上げを実施したが、原料価格はこれを上回る上昇を続けており、11年の食用油部門利益は損益分岐点の水準にまで落ち込む見通し。
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