IMプラットホーム「QQ」のオープン化を計画か、短期的にはマイナス影響も

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00700 騰訊控股(トウジンコウコ) 168.1 HKD
(11/25現在)
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『Sina Technology News』が24日伝えたところによると、騰訊控股の馬化騰会長は業界フォーラムの席上、向こう半年間を過渡期と位置づけ、ソーシャル・ネットワーキング・サービスをオープン型に移行させる方針を示した。また、同時にインスタントメッセンジャー(IM)サービス「QQ」のオープン化を準備していることを明らかにした。他社のアプリケーションなどを閉め出すクローズド型とは対照的に、オープン型は他社製品との相互利用が可能となるシステム。オープン・プラットホーム化に伴い、6億人強のアクティブユーザーを抱えるQQはこの先、他の中小企業とユーザーベースを共有することになる。

BOCIはQQのオープン化が長期的にプラスになると評価。膨大な数の第三者アプリケーションと収入を共有することで、最近増加している「敵対的競争」リスクが軽減するとの見方を示した。ただ、これまではクローズド型を採用し、自社でアプリケーションの大半を開発してきた同社にとって、オープン化は短期的に痛みをもたらす見通し。BOCIはIMアプリケーション事業の再編を迫られる可能性を指摘している。また、QQを含むインターネット付加価値部門(ゲーム事業を除く)の売上構成比は2010年7-9月期に約30%。オンラインゲーム事業を除けば、同社にとっては唯一、成長性を持続している事業部門となるが、BOCIはオープン化への過渡期において同部門の売上高が落ち込む可能性に言及している。

同社最大の魅力は6億人規模のユーザー基盤を持つIMプラットホームQQの成長潜在力であり、投資家はオープン化に伴い、同社バリュエーションの再考を求められる可能性がありそうだ。オープン化が実現すれば、第三者のアプリケーション開発者が同社のQQプラットホーム上で製品・サービスを提供することができるようになる。BOCIは中国ではほかに、通信キャリア3社のチャイナ・モバイル(00941)、チャイナ・テレコム(00728)、チャイナ・ユニコム(00762)も同様のオープン化戦略を進めている点を指摘。加入者1人当たり収入、加入者1人当たりEV(企業価値)を考慮した場合、騰訊控股の株価は明らかに、通信セクターの他の「オープン・プラットホーム・プロバイダー」を上回るとしている。

BOCIは現時点で目標株価を据え置き、同社株価の先行きに対する弱気の見方を継続している。ブルームバーグのコンセンサス予想(11月25日現在)によると、同社の2011年通期の予想EPSは前年比32%増。BOCIは市場の期待値の高さを理由に、同社決算の下振れリスクを指摘した。また、中国工業・情報化部が現在、調査を進めていることを理由に、政府当局によるネット関連規制の動きが同社およびセクター全般の短期的なリスク要因となる点に言及している。

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