販路再編で当面の収益成長減速を予想、既存店売上伸び率は来年以降回復へ

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02331 李寧(リネイ) 20.90 HKD
(11/23現在)
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李寧はこのほど、中小都市部の販路を再編する方針を明らかにした。同社は下請けのフランチャイズ加盟店(サブディストリビューター)が営業する約2000店舗のうち、およそ3割に当たる600店余りを閉鎖する方針。経営効率が低い店舗の閉鎖を通じ、商品仕入れや在庫管理、新製品販促などの面で効率改善を目指す。BOCIはこうした動きが短期的に、中小都市部での受注減につながる可能性を指摘しながらも、長期的にはプラスと前向きに評価している。同社はまた、商品サイクルの最適化に向けて新製品の店内陳列期間を90日間に限定し、その後はディスカウント店に移した上で、そこで2カ月間陳列する新システムを導入する。販売店側が今後、ディスカウント店を増設する運び。こうした手法を通じて製品の流れの円滑化を図るという。このほか、同社は販売店側のコスト増に対処するため、来年初めから卸売価格の2%の値引きを実施する予定。販売成績次第で、さらに値引率を1%追加する方針を明らかにしている。

一方、同社が7-9月期に着手したブランド再構築計画は、明らかに受注伸び率に影響しており、来年1-3月期分の受注額は前年同期比12%増。今年7-9月分、10-12月分の各20.3%増から大幅に減速した。中小都市部の店舗が在庫処分を優先させたことが背景。同社経営陣は在庫処分を来年3月までにほぼ終了させるとし、これに伴い、受注が回復に向かう見通しを示した。

同社の7-9月期の既存店売り上げ伸び率は前年同期比4%増と、予想を下回る数字にとどまった。主に中小都市部での横ばい推移が響いた。ただ、同社経営陣によれば、大都市部ではすでにブランド再構築による効果がみられ、既存店売り上げが2ケタの伸びを回復したという。BOCIは既存店売り上げの今後の回復を見込み、来年5%、2012年には7%の伸びを予測している。

経営陣は今後の製品販売見通しについてやや慎重姿勢に転じており、業界平均並みの伸び率を見込んでいる。BOCIはこの先の中小都市市場の開拓に向けた重要ステップとして販路再編計画を前向きに受け止めているが、当面は卸売価格の値下げや店舗閉鎖が売り上げ伸び率の減速や利幅縮小につながるとの見方。向こう2年間、粗利益率が47%、営業利益率が14-15%に下向く見通しを示し、2011年、12年の予想純利益をそれぞれ12%、15%下方修正した。

李寧は国内スポーツウエア市場の地場系最大手ブランドであり、引き続き圧倒的な存在感を維持している。ただ、BOCIは当面の収益成長率が同業銘柄の大半を下回る見通しを理由に、目標株価を大幅に下方修正した。また、同社株価の先行きに対する従来の強気見通しを、弱気の見方に引き下げている。