通信各社の設備投資減で業績は減速、光ファイバー敷設プロジェクトに期待

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00552 中国通信服務股フン(チャイナ・コムサービス) 4.64 HKD
(11/17現在)
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BOCIは中国通信服務股フン(CCS)の2010-12年予想売上高を13-14%増と予想。通信インフラ敷設(TIS)、ネットワーク保守・点検などの業務受託(BPO)、通信付加価値サービス(ACO)の主要3事業の2011年予想売上高をそれぞれ14%、12%、19%増とした。2010-12年予想EPSは13-15%増と2009年の20%増収、18.7%増益から減速が見込まれるものの、BOCIは以下の4つの要因が同社の中長期的成長を支えると指摘している。

1)国内通信ネットワーク投資:政府の第12期5カ年計画(2011-15年)において、通信ネットワークインフラは引き続き重要投資項目の一つに含まれる見通し。3G/4Gの次世代無線ネットワークに続き、家庭向け光ファイバー通信ネットワーク(FTTH)の構築が積極推進される。こうした状況下、通信インフラ敷設で業界最大手のCCSは、大手との取引実績や技術の優位性により業績の2ケタ成長が確実視されている。光ファイバーの敷設は政府主導により向こう3-5年間にわたり年20%超の成長が期待される。一方、通信各社の無線ネットワークへの設備投資は2009年をピークに減少傾向にある。この影響によりCCSの10年上期のTIS部門売上高は前年同期比18%増と、2009年の25.8%増から減速。ただ、3G契約者の増加に対応するため通信各社は無線ネットワークに一定の投資を維持しつつ、事業効率化に向け運営費用を拡大するとみられる。

2)アウトソーシング需要:CCSのBPO部門は通信大手3社から20万基に及ぶ基地局の保守業務を請け負っている。2009年の3Gライセンス発行以降、無線基地局や光回線アクセスネットワークの新規設置が進み、通信大手の固定資産総額は年間7-9%増加。通信各社は業務効率化のため設備保守サービスのアウトソーシングを推進している。CCSの2011年BPO部門予想売上高は47億元。これは、大手3社のネットワーク運営費の5%に相当する。

3)非通信キャリア市場:中国各地の都市化推進を背景に、情報化を進める一般企業や政府機関、学校や病院などの公共サービス部門といった非通信分野からのシステム受注が増加。10年上期の非通信キャリア業界からの売上高は、TIS部門で前年同期比54.1%増、ACO部門で同36.1%増に達した。

4)海外市場:CCSは2010年8月時点で50以上の国・地域で通信インフラ敷設やアウトソーシングサービスを提供している。2010年上期の海外市場売上高は前年同期比84.5%増の10億9800万元と、総売上高の5.1%を占めた。全国ブロードバンド網(NBN)プロジェクトなどがけん引している。

CCSの2011年予想PERは11倍。BOCIは同社の堅実な経営状態と市場状況を踏まえ株価見通しを強気の見方に設定した。今後、国内外の光ファイバー敷設プロジェクトの進ちょく状況に応じて目標株価を上方修正する可能性も示唆している。