11月2日 
発電用炭、無煙炭、およびPCI炭の価格が大幅に上昇

中国国内の発電用炭価格が上昇している。先週には秦皇島港の山西高品位炭価格が前週比で4.1%高。PCI炭および無煙塊炭の価格も国内全域で上昇している。一方、コークス炭価格は短期的な需要急増要因がないため安定的な推移が見込まれる。BOCIは石炭銘柄の株価動向を楽観し、個別では引き続き山西ロ安環保能源開発(601699)およびエン州煤業(01171)を選好している。

キーポイント

石炭積み出し港の秦皇島における11月1日の山西産高品位炭の価格は、前週比4.1%高の1トン当たり770元と今年2月8日以来の高値を記録した。大同産の発電用炭坑口価格は前週と同じ470元を維持しているが、冬に向かって気温が低下するのに伴い価格上昇が見込まれる。

秦皇島の石炭在庫は11月1日時点で前週比10%減の710万トン。悪天候で海上輸送が滞り、国内沿岸部の石炭運賃指数は10月27日までに25%上昇し、年初来の高値記録を更新した。29日のBDI(バルチック海運指数)は1.8%低下。

10月31日時点の山西省石炭平均生産量は25%増の1日当たり244万トン。内モンゴル自治区からの石炭出荷規制で発電用炭の需給がひっ迫し、代わりに山西省北部で生産量が増えた。

29日のNEWCインデックス(豪ニューキャッスル港出し石炭価格)は同1.5%高の1トン当たり100米ドルに達し、5月14日以来の高値。ブレント原油先物相場は同0.2%高の1バレル83.2米ドルとなった。山西省の陽泉および長冶産のPCI炭価格はそれぞれ7.6%、6.8%高。同産地の無煙塊炭もそれぞれ10%、13%高と、すべて2009年初め以来の高値に達した。

石炭銘柄の10年7-9月期決算が先週出揃った。前四半期比での成長の勢いが全般的に弱まったが、10-12月期には上海大屯能源、中国中煤能源(01898)、蘭花科創、平頂山天安煤業が前四半期比大幅増益を回復するとBOCIはみている。

11月1日現在、石炭銘柄は2011年予想PER17倍とヒストリカル平均の20倍を下回っている。米ドル安が進み、金融緩和への期待が高まる中、BOCIは中国石炭銘柄の一段の上値を見込んでいる。山西ロ安環保能源開発の株価は現在2011年予想PER20倍。BOCIは同社の2011年予想EPSについて、現段階の予想値を上回る可能性に言及した。一方、エン州煤業について同17倍の株価は比較的割安と指摘。同社は10-12月期に発電用炭スポット価格高騰の恩恵を受けるとの見方を示した。