11月1日 発電セクター「中立」、ガス供給「オーバーウエート」、再生可能エネルギー「オーバーウエート」、香港公共株「アンダーウエート」
本土系発電銘柄、石炭価格の高騰と電気料金引き上げの先送りで業績悪化懸念

香港株式市場の公共セクターにおけるBOCIのカバー銘柄は過去1週間、総じてハンセン指数およびH株指数をアンダーパフォームした。IPP(独立系発電事業者)銘柄は前週比2.9%下落。ガス銘柄および代替エネルギー銘柄はそれぞれ同0.1%わずかに値上がりしたが、香港公共銘柄は同0.4%値を下げた。個別では、2010年7-9月期に3億8400万元の純損失を計上した華電国際電力(01071)が前週比6.4%安となった。

中国本土系の発電銘柄にとっては、厳しい財務状況や冬場を控えた石炭価格の高騰が懸念材料。また、中国政府はインフレ抑制や社会の安定維持を図る見地からエンドユーザーレベルの公共料金引き上げ(電力、天然ガス、水道など)をぎりぎりまで見送る可能性が強い。BOCIは年末までに電気料金値上げが行われる可能性に言及しながらも、「アナリストの大半はすでに、IPP銘柄の利益モデルに5%程度の値上げを織り込んだ」とみている。

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中国国内の風力発電機価格は年初の1キロワット(kW)当たり4600元から13%程度値下がりした。1.5メガワット(MW)の発電機価格は現在、1kW当たり4000-4100元。2MW型は上海電気集団(02727)製が同3899元まで低下し、2.5MWは東方電気(01072)製が4036元。BOCIは内製率の上昇や原材料価格、輸送費の低下、さらにメーカー側のスケールメリットの拡大が風力発電機価格の低下につながったと指摘。市場競争の激化や、それに伴う品質悪化リスクに対して警戒感を示している。

国家エネルギー局は、「第12次5カ年計画」(2011-15年)期間中に行う再生可能エネルギー分野の重要プロジェクト10件の暫定計画を策定。水力発電基地の建設や、すでに発表された10GW規模の風力発電基地建設計画7件のうち5件などが含まれる。

China Electricity Commission(CEC)は今冬から来春にかけて、電力需給の安定推移が続く見通しを示した。ただ、10-12月期には重工業部門の電力需要の減速を受け、発電量伸び率が鈍化傾向を示すとみている。今年通年の電力需要に関する予想値は前年比12%増の4兆1000億キロワット時。

国家エネルギー局は一次エネルギー消費を15年時点で400億-402億トン(標準石炭換算)に抑制する方針。また、一次エネルギー消費全体に占める非化石エネルギー比率を11%に引き上げる目標を設定。中国の一次エネルギー消費は昨年301億トン相当。

CECのリポートによれば、国内10省の石炭火力発電所が10年7-9月期に純損失を計上した。BOCIはIPPカバー銘柄のうち、華電国際電力の発電容量の約60%が収益性の低いエリアに位置していると指摘し、同社の10-12月期の赤字決算を予想している。