粗利益率が改善で10年1-9月期に59%増益、新規受注は381億元に

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
01072 東方電機股フン有限公司(ドンファン・エレクマシナリー)  37.70 HKD
(11/01現在)
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東方電機の2010年1-9月期決算は、売上高が前年同期比13.6%増の259億6800万元、営業利益が同34.7%増の19億600万元、純利益が同59.3%増の17億700万元に達した(EPSは0.85元)。粗利益率の改善や各種コスト比率の低下が大幅増益要因。BOCIは同期決算が予想を上回ったこと受け、2010-12年の予想EPSをそれぞれ1.16元、1.52元、1.83元に上方修正した。また、これに伴い目標株価を引き上げ、同社株価の先行きに対して強気見通しを維持した。

同社の1-9月期の発電設備生産量は前年同期比19%増の2476万9000キロワット(kW)。内訳は水力発電機が291万3,000kW、スチームタービンが2005万kW、風力タービンが180万6000kWだった。

1-9月期の新規受注は381億元に上り、7-9月期だけで169億元。BOCIは10年通年の新規受注が550-600億元に達するとみている。1-9月期の新規受注に占める各種設備の割合は、火力発電が56%、風力発電が22%、原発が9%、水力発電が3.6%など。海外からの受注を含めたことで火力発電設備の割合が大幅に上昇する半面、原発設備の受注は前年同期を大幅に下回った。

一方、1-9月期にはコア事業の粗利益率が前年同期を2.42ポイント上回る18.56%に達した。主に火力発電設備、原発設備部門の利幅の改善や、原発部門の急速な売り上げの伸びが寄与した。BOCIは原発設備部門の10年通期の粗利益率が約17%に達すると予想し(1-9月期は14.3%)、2011年には一段と上向くとの見方。ただ、風力発電設備など一部製品の売り上げ計上の遅れや風力設備価格の下落が、11年の粗利益率を圧迫する可能性を指摘している。

同社の受注残は高水準にあるが、BOCIは流動性引き締めやエネルギー消費の落ち込みをリスク要因として指摘。受注時期や引き渡し時期に遅れが出る可能性に言及している。