10月26日
発電用炭価格が3週連続上昇、厳冬に向けて上昇持続へ

中国国内の発電用炭価格は先週まで3週連続で上昇した。この先の気温の低下に伴い、BOCIは発電用炭価格の上昇推移が続くとの見方。一方、コークス炭価格については最近の鋼材生産量の減少や鋼材価格の調整を背景に安定推移を予想し、今後の大幅な需要増は期待しにくいとみている。BOCIは10月25日現在、石炭銘柄の2011年予想PERがヒストリカル平均値を下回る水準にあると指摘。一段の米ドル安や市場の過剰流動性を理由に石炭銘柄の株価動向を楽観し、個別ではエン州煤業(01171)および山西ロ安環保能源開発(601699)を選好している。

石炭積み出し港・秦皇島における山西産高品位炭の価格は10月25日現在、前週比1.4%高の1トン当たり740元に達した。大同産の発電用炭坑口価格は同1.1%高の470元だった。

発電用炭価格はこれで3週連続値上がりし、例年に比べてやや前倒しの上昇傾向をみせた。その理由は主に、◇高速道路経由で内モンゴル自治区から運び込まれる石炭量の減少、◇厳しい寒さが予想される今冬を前にした供給ひっ迫への警戒感、◇インフレ環境下での川下業界の石炭価格先高懸念――など。

一方、関連指標に目を向けると、秦皇島の石炭在庫は10月24日時点で前週比7.3%増の729万トンに達し、主要電力会社の平均在庫日数は21日で横ばい推移した。また、国内沿岸部の石炭運賃指数は20日までに同18%上向き、BDI(バルチック海運指数)は22日に同1.3%安。NEWCインデックス(豪ニューキャッスル港出し石炭価格)は22日に同2.2%高の1バレル当たり99米ドル。ブレント原油先物相場は同0.6%高の1バレル83米ドルとなった。また、鋼材価格は22日時点で同1.1%安。鋼材在庫は同1.8%減の1484万トンだった。

このほか、国内の火力発電量は9月に前月比12%減、前年同月比では2%減。銑鉄生産量は9月に前月比5.4%減少した。

中国の9月の石炭輸入量は1532万トン、輸出は186万トン。純輸入量は1346万トンと、年初から月別最大を記録した。1-9月の純輸入量は1億700万トン。

個別銘柄に関しては、BOCIは山西ロ安環保能源開発の2011年EPSが予想(3.50元)を上回る可能性を指摘。15%の優遇税率の適用が同期純利益を7-13%押し上げる見通しを示した。また、親会社からの資産買収の公算に触れ、これが増資を伴わずに収益拡大を後押しする可能性に言及した。一方、エン州煤業については、10-12月期の発電用炭価格の上昇が追い風になるとの見方を示している。