10月19日 H株「オーバーウエート」
国内金属相場の先行きを楽観、省エネ政策下での供給抑制などが背景

中国国内の鋼材価格は先週、前週比で小幅に調整し、熱延鋼板、鉄筋、中厚板が同0.9%下落した。線材価格は0.8%低下。その半面、輸入鉄鉱石価格は上向き、青島港、唐山港でそれぞれ7.0%高の1トン当たり1220元、1.6%高の同1300元に達した。国内の鋼材在庫は前週比2.4%減の1510万トンで、うち条鋼が同2.8%減の690万トン、鋼板が2.0%減の820万トン。消費量に基づく在庫レベルは8月末時点で6.4日と、今年2月のピーク時(9日)を大きく下回る水準となっている。また、港湾ベースの鉄鉱石在庫は7%増の7380万トンに上った。BOCIは環境保護政策の下、地方政府が10-12月期も年内の省エネ目標達成に向けて努力すると予想。これが鉄鋼供給を抑制し、短期的に鋼材価格の上昇推移が続くとみている。

一方、非鉄金属価格は先週、ロンドン金属取引所(LME)および上海先物取引所(SFE)の双方で総じて上昇傾向を示した。LMEでは鉛価格の前週比6.9%高を筆頭に、亜鉛が5.9%高、スズが1.5%高、銅が0.9%高で、ニッケルは1.5%安。SFEではニッケルが前週比5.5%高の1トン当たり18万1429元に達したほか、銅が3.6%高、アルミが2.8%高、亜鉛が2.1%高など。BOCIは省エネ政策がニッケル銑鉄(ニッケルの代わりとなる低価格金属)の供給に影響するとみて、短期的な国内ニッケル相場の一段の上昇を予想している。また、先週の世界の非鉄在庫動向はまちまちで、LMEの亜鉛、アルミ、銅の在庫が前週をやや下回る半面、SFEでは銅在庫が9.9%増の10万33510トン、亜鉛在庫が12.3%増の20万9791トンに達した。このほか、「資金の避難所」となっている金は先週も引き続き値を上げ、前週比1.9%高の1オンス当たり1368米ドルをつけた。 金属セクターにおけるBOCIのカバー銘柄の中では、UCルサール(00246)が先週の値上がり率トップとなった。10月4日付で最低取引単位を2万4000株から6000株に引き下げ、流動性が向上したことが背景。一方、産金銘柄は先週軒並み下げたが、BOCIは米ドル安が続く中で金相場の先行きを楽観し、同セクターに対する強気見通しを維持。個別では瑞金鉱業(00246)、紫金鉱業集団(02899)を有望視している。 鉄鋼銘柄の中では、BOCIはアンガン・スチール(00347)、首長国際企業(00697)に対して強気の見方を示している。ただ、省エネ政策の下、主に条鋼類の生産を手掛ける中小メーカーの淘汰が進むと予測し、この点では馬鞍山鋼鉄(00323)に恩恵が及ぶとの見方だ。また、BOCIは金価格のほかに、非鉄価格の先行きについても楽観的。個別では江西銅業(00358)、新疆新キン鉱業(03833)を選好している。