CDMA対応型iPhoneの投入、実現すれば長期収益力の向上に寄与

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00728 中国電信(チャイナ・テレコム) 4.29 HKD
(10/08現在)
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8日付のメディア報道によると、チャイナ・テレコムはCDMA規格対応型iPhoneの国内販売をめぐり、米アップルと協議しているもようだ。また、『ウォール・ストリート・ジャーナル』の報道によれば、アップルは年末までにCDMA型iPhoneの量産に乗り出す計画。BOCIはiPhoneの取り扱いがチャイナ・テレコムにとって大きなプラス材料になるとし、その理由として以下の3点を指摘している。

【1】世界のCDMA市場における存在感や中国国内のCDMA携帯端末サプライチェーンの充実度を背景に、チャイナ・テレコムはアップルとの交渉において同業のWCDMA規格を採用するキャリアより有利な契約条件を引き出す可能性が高い。

【2】同社の3Gネットワークは、国内17省市でカバー範囲、回線容量ともに最大。CDMA型iPhoneを投入すれば、競合チャイナ・モバイル(00941)、チャイナ・ユニコム(00762)が扱うWCDMA型iPhone以上に、高いユーザー満足度を得られる可能性が高い。

【3】チャイナ・テレコムの携帯電話部門の収益性はARPU(ユーザー1人当たり月額収入)の伸びに依存する部分が大きく、iPhone投入はARPU上昇率を加速させる可能性が高い。

このうち【1】について、BOCIはチャイナ・テレコムの2009-10年の加入者純増数が世界のCDMA市場で46%を占めたことに言及している(CDMA Development Group調べ)。また、8月時点で8000万人の加入者を抱える同社は世界2位のCDMAキャリアであり、加入者数の世界シェアは15%。CDMA型iPhoneへの投資を計画しているとされるアップルにとっても、チャイナ・テレコムの重要性は高い。さらに、チャイナ・テレコムは世界で最も多様な携帯機種を展開しているCDMAキャリアであり、強力な流通ネットワークを持つ。月次の加入者純増数は携帯電話部門全体で約300万人に上り、CDMA端末メーカーにとっては世界でも最も強力な販売ネットワークとなる。

BOCIが設定した2011年の予想純利益は市場コンセンサスを9%上回る水準にあるが、新規加入者のARPUに関する想定値は控えめで、四半期別にそれぞれ27-44元。ただ、iPhoneユーザーのARPUは最低でも200元と、同社の現行ARPUのほぼ5倍に当たる。BOCIは同社全体の加入者純増数などが現行水準を維持するとの前提の下、「iPhone新規加入者が月間10万件に上ると仮定した場合、新規加入者ARPUは42元から47元に上向く」との分析結果を明らかにしている。また、新規加入者ARPUの伸びが長期収益力の向上につながると指摘。現時点では目標株価を据え置きながらも、株価の先行きに対する強気見通しを継続し、同社を引き続き通信セクターのトップピックとしている。