1月7日の日経平均は、前日比423円安の17,767円となりました。上海株の急落、売買停止、さらなる円高の進行が嫌気されました。これで日経平均は年初から4営業日続落し、合計で1,266円(6.7%)下がりました。
7日は、欧米株式がさらに大きく下がっており、世界的な株安に連鎖しています。WTI原油先物が1バレル33ドル台と安値を更新しており、資源安ショックも続いています。
為替は、日本時間6時時点で1ドル117.57円と、円高が続いています。CME日経平均先物は、6時時点で17,550円まで下がっており、今日の日経平均はさらに大きく下がることが予想されます。
(1)7日は上海株安と円高を嫌気して日経平均が続急落
7日の日経平均急落の原因となったのは、上海株の急落です。
上海総合株価指数の年初からの動き
日付 | 前日比騰落率 |
---|---|
1月4日 | ▲6.9% |
1月5日 | ▲0.3% |
1月6日 | +2.3% |
1月7日 | ▲7.0% |
上海株は、年初(4日)に急落(▲6.9%)した後、中国政府の市場介入によって6日は反発していました。ただし、市場介入で株価を支えると、かえって売りエネルギーが蓄積することは、昨年6-8月の上海株急落局面で経験済みです。7日は、中国人民銀行(中央銀行)が人民元レートの切り下げを発表すると、中国市場からの資金流出懸念が高まり、上海総合株価指数は市場が開いて28分で▲7%も下落しました。そこで、中国政府は株式市場を売買停止としました。それを見て、日本株にも外国人と見られる売りが急に増えました。
上海株と日本株の急落を見て、リスクオフの円買いが進み、1ドル117円台半ばまで円高が進みました。円高によって、日本の企業業績が悪化する懸念が生じ、日本の輸出株にさらに売りが増えました。
(2)今ある悪材料を整理
さまざまな悪材料が同時に出てきて、世界の金融市場は複合ショックの様相を呈しています。昨日に続き、今ある悪材料を、まず整理します。
- 中国経済への不安が再燃、上海株が急落
- 米ISM製造業景況指数が悪化、米景気息切れの懸念も
- 原油先物が安値を更新、資源国の景気がさらに悪化する懸念
- 円高(ドル安)進行。日本の輸出企業の業績にマイナス影響
- 中東で地政学リスク高まる。イスラム教スンニ派盟主サウジアラビアがシーア派盟主イランと断交。IS(イスラム国)との共闘実現が困難に。
- 東アジアでも地政学リスクが高まる。南沙諸島めぐり米中緊迫化続く。さらに北朝鮮が核実験を実施と発表。
- 世界同時株安に連鎖
(3)世界的な景気後退に発展する可能性はあるか?
日経平均は、世界的な株安連鎖で、短期的にさらに下がる可能性があります。ただし、私は、世界的な景気後退が開始するとは考えていません。
資源国(ブラジルやロシアなど)のさらなる景気悪化は避けられません。中国の景気もさらなる減速が見込まれます。ただし、日米欧先進国では、ゆるやかな景気回復が続くと予想しています。資源安は、短期的に世界景気を悪化させますが、長い目で見ると、資源輸入国の日米欧先進国にはメリットとなります。
短期的な下値がまだ確認できていませんが、日本株は買い場を迎えたと判断します。まずは大型の好配当利回り株から買い始めたら良いと考えます。株は安いときに買って、高くなった時に売ることで、利益が得られます。悲観が増えたときに買って、楽観が増えたときに売るのが、中長期投資で成功する秘訣です。それが「リスクを取る」ということだと思います。私は、過去25年、ファンドマネージャーをやっていた時に、それを実践してきました。
今日、中東・東アジアの地政学リスクが日本株に与える影響について、私の考え方を書く予定でしたが、後日に致します。
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