具体的な使途なき余剰現金は不透明感を促進

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00165 中国光大控股(チャイナ・エバーブライト)  19.38 HKD
(10/06現在)
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中国光大控股(CEL)が第三者割当増資を通じ23億2000万HKドルを調達すると発表した。1億2900万株の新株を1株当たり18.00HKドルで割り当て、資本ベースを8.09%拡大する計画。割当価格は過去10営業日の平均終値に対し3.64%のディスカウント水準。調達資金は資産運用に関する事業に充当するという。BOCIは今回の増資が株価に与える影響は限定的と判断。現在のバリュエーションを妥当な水準とみて、株価の先行きは中立的な見方に据え置いている。目標株価については希薄化の影響を考慮し19.00HKドルから18.00HKドルに引き下げた。

BOCIのSOTP分析によると、増資により適正株価は1.7%希薄化される。9月15日付のレポートで指摘したとおり、現時点において中国証券市場の売買代金の回復がバリュエーションの見直しにつながる可能性が高い。BOCIは以下の観点から、増資が株価の先行きに不透明感をもたらすものとみている。

使途が明らかでない余剰資本:CELはおよそ30億HKドルの余剰現金を保有しているが、投資計画に関する情報は限られている。相当の取引が水面下で進んでいる可能性はあるが、情報が公開されなければ不透明感が増し、投資家の不安をあおる要因になる。

香港企業買収による成長は限定的:余剰資本は資産運用に従事する香港企業の買収に利用される可能性がある。香港企業の買収は既存事業との相乗効果が少なく、中国本土企業のような成長は期待できない。大幅なディスカウントによる親会社からの資産注入や資産評価の低い企業の買収もリスク要因に挙げられる。

中国証券市場の低迷:中国証券市場は政府の不動産投機抑制策強化を受け、1日当たりの平均売買代金が前月比で45%増となった8月をピークに9月半ばから減速傾向にある。こうした状況下、光大証券(601788)の株価上昇機会は短期的に限定される。