南京大橋プロジェクトを含む買収計画2件を発表、利益と企業価値の向上に寄与

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
03311 中国建築国際(チャイナ・ステート・コンストラクション) 4.68 HKD
(10/04現在)
 株価
 企業情報
 チャート

中国建築国際は9月30日、中国海外発展(00688)から資産2件を買収する計画を発表した。うち一つは全額出資子会社Ever Powerを通じ、中国海外発展の全額出資子会社CORBから中国海外科技控股有限公司(COTHL)の発行済み株式100%を取得するもので、買収代金は総額16億9000万HKドル(COTHLによる中国海外発展向け融資9億1000万HKドルを含む)。COTHLは南京長江第二大橋有限責任公司の権益65%を保有しており、中国建築国際は今回の取引を通じ、長江第二大橋のTOT(譲渡・運営・譲渡)プロジェクトの65%を間接的に取得する運びとなる。

もう一つの取引は全額出資子会社のCCE(マカオ)を通じ、中国海外発展の全額出資子会社Peak Topから美澳物業発展有限公司の株式15%を取得するもので、買収代金は現金およそ2億6400万HKドル(美澳物業発展向けの株主貸し付けを含む)。美澳物業発展はマカオに新規開発された埋め立て地区に住宅開発用地(総床面積換算で7万2000平方メートル)を保有する。

BOCIは買収後の長江第二大橋TOTプロジェクトの利益貢献が、2010年通期に税引き後ベースで3000万HKドルに上ると予想。さらに2011-12年通期には9000万HKドルを超えるとし、この数字が従来の同社予想純利益の3-7%に相当すると指摘した。一方、美澳物業発展の利益貢献については情報不足を理由に具体的な予想数字への言及を控えたが、マカオの不動産開発事業が2010-14年に行われると予想。2012年まで目立った利益貢献には期待できないとしている。

BOCIによると、1件目の買収価格16億9000万HKドルは、買収対象となるCOTHLの2009年実績PER換算で15.4倍相当。中国建築国際は内部資金で全額をまかなう方針だが、BOCIは買収後の同社財務を楽観視している。また、長江第二大橋TOTプロジェクトの契約期間は1999年2月から2031年3月まで。BOCIはこのプロジェクトが中国建築国際の利益底上げに寄与するだけでなく、31年までの利益見通しの透明度を高める点でもプラスになると見ている。

今回の買収計画を受け、BOCIは中国建築国際の10-12年の通期予想純利益を3-7%上方修正し、同社株価の先行きに強気見通しを維持した。2件の買収価格に大幅な割安感はないとしながらも、将来的な企業価値の拡大につながると評価。さらに同社にとっては、中国本土・香港建設市場の成長潜在力が追い風になるとの見方を示した。また、新規受注の好調や手元受注残を考慮し、同社利益が2009-12年に35%以上の伸びを示すと予想。向こう2年は香港事業が主力となる一方、本土事業が今後の成長をけん引するとの見通しを示し、09年に8.8%だった粗利益率が12年には12%に改善すると予想している。