休日前(22日)の日経平均は、29円安の18,886円でした。今日は、12月22日および23日のNYダウおよび原油先物の動きについて、ご報告します。

(1)12月22日のWTI原油先物・NYダウの動き(23日の動きは後述します)

WTI原油先物(期近)とNYダウの動き:2015年12月1日―22日

(出所:ブルームバーグより楽天証券経済研究所が作成)

12月22日のNYダウは、WTI原油先物が反発したことを好感して、前日比165ドル高の17,417ドルとなりました。

(2)12月のNYダウ下落に一番影響したのは原油下落だったと思います

年末までの短期的な値動きを考えるうえで、引き続き影響が大きいのは原油先物になると思います。

  • 原油下落は、産油国による金融資産売却(原油収入減少を補完)を誘発する懸念を生むこと。
  • 産油国景気の一段の悪化につながること。
  • 米国でもシェール・ガス・オイル業者の破綻など短期的に悪影響が及ぶ懸念があること。

米景気は、エネルギー価格が安くなった恩恵で、これまで好調です。自国から安価なシェール・ガス・オイルが大量に産出されるようになった影響は、大きかったと思います。規模の大きいシェール油田では、採掘コストの低下が進んでおり、原油価格が低下してきても採算をとれるようになってきています。ただし、小規模で高コストのシェール油田では、採算割れで破綻するところが増える懸念があります。原油の急落ピッチが速すぎると、米景気に短期的にマイナス効果が及ぶ懸念があります。

12月には、世界が注目する金融政策の変更がありましたが、12月中のNYダウの動きで見ると、今のところ大きな影響を及ぼしていません。

  • ECB(欧州中央銀行)の追加金融緩和がありましたが、市場期待を下回り好感されませんでした。
  • 米FRBが9年半ぶりの利上げを実行しましたが、織り込み済みで大きな影響を及ぼしませんでした。
  • 日銀が金融緩和の補完策を発表しましたが、内容が小粒で大きな影響を及ぼしませんでした。

(3)12月23日の米国市場の動き

  • WTI原油先物(期近):1バレル37.50ドル(前日比1.36ドル高)
  • NYダウ:17,602ドル(前日比185ドル高)
  • CME日経平均先物19,055円(12月22日の日経平均終値比168円高)
  • 為替:1ドル120.88円(日本時間で12月24日午前6時時点)

本日の日経平均は、NYダウ・原油先物の続伸を好感し、上昇することが予想されます。