9月14日 H株「中立」
旧式設備廃棄で鋼材価格が上昇持続、国内非鉄相場は前週比やや調整

中国国内の鋼材価格は先週も大幅な上昇傾向を持続し、線材の前週比5.6%高を筆頭に、鉄筋が4.8%、中厚板および熱延鋼板が各4.2%値上がりした。旧式設備の淘汰を通じた中国政府の業界統廃合政策や、第4四半期の需要拡大観測が背景。一方、国内鉄鋼業界の減産を受け、輸入鉄鉱石価格は青島港で1トン当たり1170元、唐山港で同1180元と、それぞれ前週比0.8%、2.5%下落した。

国内の8月の粗鋼生産量は5164万トンと、2009年4月以来初めて前年同月実績を下回った。1日当たり粗鋼生産量は前月比0.2%減の167万トン。BOCIは9-10月も生産量の減少が続くと予想し、この点が鋼材相場の上昇を後押しすると見ている。河北鋼鉄集団、首鋼などの大手はすでに、10月分の出荷価格の値上げ(1トン当たり200-300元)を発表しており、今後は他社も追随する可能性が高い。また、旧式設備の廃棄政策を受け、8月の鉄鉱石輸入量は前年同月比10.2%減、前月比13%減の4460万トン。1-8月の累計では前年同期比0.1%増の4億500万トンだった。

鋼材在庫も引き続き減少し、先週の在庫総量は前週比1.6%減の1460万トン(条項類が2.5%減の680万トン、鋼板が0.8%減の780万トン)。消費量に基づく在庫レベルは8月末に6.4日分と、過去平均値の5.4日を依然上回ったが、今年2月に記録した9日を大きく下回る水準となった。また、国内港湾の鉄鉱石在庫も前週比2.0%減の7320万トンに縮小した。

一方、非鉄セクターを見ると、ロンドン金属取引所(LME)における先週の価格動向はまちまち。上海先物取引所(SFE)では小幅の下落傾向が見られた。LMEではニッケル、錫が前週比4.4%、3.0%上昇する半面、アルミ、銅、亜鉛はそれぞれ2.3%、2.1%、2.0%調整。SFEでは銅が1.8%安、アルミが0.5%安となった。世界在庫の減少傾向は先週も続き、LMEの錫、銅、ニッケル在庫はそれぞれ前週比1.8%、1.6%、1.0%減。「資金の避難所」となった金は引き続き値を上げ、前週比0.5%高の1オンス当たり1247米ドルに達した。

金属銘柄(BOCIのカバー銘柄)の先週の株価パフォーマンスに目を向けると、値上がり率トップは国際資源集団(01051)で、湖南有色金属(02626)が2位。湖南有色金属にとっては、政府当局による違法操業摘発を受けたアンチモン相場の値上がりが支援材料となった。

過去2週間の値上がり率が18-22%に達した鉄鋼銘柄に関しては一段の上値余地を疑問視する声も出ているが、BOCIは中長期的視点から相対的に強気の見方。個別ではアンガン・スチール(00347)の株価の先行きに強気見通しを継続し、馬鞍山鋼鉄(00323)に対しては中立的な見通しを維持している。