10年6月中間期は10%増益、粗利益率低下の一方で市場シェアがさらに拡大

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00322 康師傅控股(ティンイ・ホールディングス) 18.64 HKD
(08/17現在)
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康師傅控股の2010年6月中間決算は、純利益が前年同期比10%増の1億9800万米ドルに上り、BOCIの予想水準を達成した。BOCIによれば、即席めん販売の好調がポジティブサプライズとなる半面、飲料部門の粗利益率は予想外の低下傾向を示した。また、上期には飲料の購入者にさらに1本をプレゼントする「ワンモアボトル」キャンペーンを行ったが、こうした中で輸送費および広告宣伝費の抑制に成果を上げ、対売上高販売コスト比率は前年同期比2.1ポイント改善した。売上高は前年同期比29.7%増の32億4300万米ドルで、即席めん、飲料、パン・菓子部門がそれぞれ23.0%、40.0%、0.02%の増収。一方、この3部門の粗利益率はそれぞれ3.8ポイント、6.3ポイント、4.3ポイントの幅で低下した。

即席めん部門の23%の増収はBOCIの予想を上回る数字。国内市場全体の販売伸び率を上回った結果、同社製品の国内シェアは56.4%へ一段と上向いた(販売額ベース)。また、上期にはカップめん販売が34%増加するなど、特に利幅の大きい製品の売れ行きが大幅な伸びを見せた。即席めん部門全体の粗利益率は27.7%に低下したが、これは10年1-3月期と同レベル。経営陣は主要原材料価格について、この先、現行水準で安定推移するとの見通しを示している。

飲料部門ではRTD(購入後そのまま飲める缶やペットボトル入り飲料)タイプの茶飲料、希釈果汁飲料、ボトルウオ-ターの売上高がそれぞれ40%、88%、11%の伸びを示した。上期の部門粗利益率は33.1%に低下したものの、1-3月期の32.6%に比べてやや改善傾向を見せた。また、「ワンモアボトル」キャンペーンの対象製品を広げたことが奏功し、厳しい競争環境下で茶飲料、希釈果汁飲料、ボトルウオーターの市場シェアがそろって上昇。うち茶飲料の国内シェア(販売量ベース)は6月に53.6%に達した。果汁飲料のシェアは17.3%(販売量ベース)へ大幅な伸びを記録し、競合の統一企業中国(00220)を再び圧倒。さらにコカコーラ社の販促攻勢を受けて1-3月期に前年同期比8%落ち込んだボトルウオ-ター販売も、上期には同11%増に転じ、国内シェアを25.2%に拡大させた(販売量ベース)。

同社は急速な需要拡大を背景に飲料生産能力の増強を計画しており、今後、詳細を発表する見込み。BOCIは同社中間決算が総じて予想通りの内容だったとし、10年12月通期の利益見通しを現行水準に維持した(予想純利益は4億3200万米ドル、希薄化後予想EPSは0.077米ドル)。また、目標株価を据え置き、同社株価の先行きに中立的な見方を継続している。