10年6月中間決算は不動産開発利益が貢献し大幅増益、主力の鉄道事業も成長基調に
現地コード | 銘柄名 | 株価 | 情報種類 |
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00066 | 地鉄公司(MTRC) |
28.2 HKD (08/13現在) |
株価 企業情報 チャート |
MTRCが発表した2010年6月中間決算のコア利益は、前年同期比46.6%増の57億2000万HKドルと、市場コンセンサス(40億-52億HKドル)を超え、BOCI予想を11.6%上回る水準だった。不動産市況の回復を背景に高級マンション「領都(プレスティージュ)」の利益貢献が不動産開発利益の約90%を占める31億HKドルに上ったもよう。一方、主力の鉄道運営部門の売上高は前年同期比7.3%増の59億3300万HKドルと予想通りの好調。駅構内・鉄道関連業務はBOCI予想を4-5%上回る同4.8%増の17億3200万HKドルだった。海外鉄道運営部門を除いたEBITDA(利払い・税引き・償却前利益)マージンは57.1%に拡大(09年上期は55.6%)しているが、これは会計処理の変更に伴う従業員年金の低減によるもので、この影響を除外すると55.5%と前年同期並み。また、6月中間期に44億HKドル以上の負債を返済し、支払利息は前年同期比23.2%減の6億5600万HKドルとなった。中間配当は前年同期と同額の1株当たり0.14HKドル。BOCIは今後も高い不動産開発利益を見込み、同社の2010-12年予想コア利益を6-22%の範囲で上方修正。さらに、駅構内の商業スペース拡張による資産価値上昇も踏まえ、2010年予想1株当たりNAV(純資産価値)を3.8%引き上げ38.70HKドルとした。株価の先行きは強気の見方に据え置いている。
6月中間期の香港の鉄道利用者数は前年同期比6.3%増、1人当たりの平均運賃は同1.1%増だった。同社は6月13日より平均2.05%の運賃引き上げを実施したが、6月の同社市場シェアは44%の高水準を維持したため、値上げによる利用者減少は最小限にとどまるとBOCIはみている。今後、沿線の住宅プロジェクトが相次いで完成を迎え、鉄道利用者の増加が見込まれる。鉄道網の拡充により遠距離の利用者が増えることは平均運賃の上昇にもつながる。これらの要因を踏まえ、BOCIは同社鉄道運営事業のEBITDA成長率について年間4%超と予想している。 一方、駅構内事業では商用スペースの拡充効果が期待できる。同社は構内のリノベーションにより過去12カ月間に37の店舗を新たに設置。1万8000平方フィートの商用スペースを追加し、駅の資産価値を高めた。6月中間期の賃貸収入は前年同期比7.1%増の8億4900万HKドル。さらに構内の広告パネル刷新で広告収入の増加が見込まれる。 同社の手持ち現金は103億HKドルに上り、バランスシートの流動性は高い。年間100億HKドルの鉄道運賃収入に加え、下期には「領都(プレスティージュ)」の利益貢献30億HKドルが計上される見通し。10年6月時点の負債比率は8%と低く、さらなる財務基盤強化の余地がある。同社は向こう6カ月以内にMTR南昌駅および大囲駅の不動産プロジェクトの入札を実施する予定。これにより開発用地の資産価値が明らかになり、2014-15年の不動産利益見通しがより明確になると期待される。
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