今日の日経平均は大幅続落が予想されます。20日のCME日経平均先物(円建て)は、19,605円まで下がっています。中国経済への不安、原油急落ショックなどによって世界景気が失速する懸念を受け、20日の欧米株式が急落している影響を受けそうです。日本も4-6月のGDPがマイナスになったように、世界景気変調の影響から、景気回復の勢いが弱まっている可能性があります。

ただし、原油の急落は長い目で見れば、世界経済にプラスです。特に日本経済には大きなプラス効果をもたらします。短期的には、マイナス面が先に表面化するので、足元は、原油急落のプラス面よりもマイナス面が意識される相場になっています。

日本株は、急落したところは買い場になると判断しています。短期的な下値波乱が払拭できないので、まずは、ディフェンシブな好配当利回り株から、投資を始めたら良いと考えています。

(1)ディフェンシブ業種から好配当利回り株をスクリーニング

楽天証券スーパースクリーナーを使って、急落局面で最初に投資を検討する参考銘柄をスクリーニングしました。

スクリーニング条件

  • 予想配当利回り2.6%以上
  • 時価総額7,000億円以上
  • ディフェンシブ業種と判断している業種から選択

世界景気に不安が出ているので、最近、日本株市場では、景気敏感株を避けてディフェンシブ株(景気変動の影響が相対的に小さい食品・医薬品などの業種に属する株)を選好する傾向が出ています。その結果、ディフェンシブ株にはPER・配当利回りなどから見て、割高な銘柄が増えています。

今回は、ディフェンシブ業種から好配当利回り株を抽出しました。ディフェンシブ株で、かつ、株価が配当利回りから見て割安なものを選択しました。

ディフェンシブ業種として具体的には、大手銀行・オフィスREIT・医薬品・食品・コンビニ・情報通信から選びました。銀行はかつて景気敏感業種でしたが、近年は財務内容が良好になり、大手銀行についてはディフェンシブ株として評価できるようになってきたと判断しています。

スクリーニング結果:8月20日時点

コード 銘柄名 業種 配当利回り
8411 みずほFG 大手銀行 3.0%
8952 ジャパンリアルエステイト投資法 オフィスREIT 2.9%
8951 日本ビルファンド投資法人 オフィスREIT 2.9%
8316 三井住友FG 大手銀行 2.8%
4502 武田薬品工業 医薬品 2.8%
4568 第一三共 医薬品 2.7%
2651 ローソン コンビニ 2.7%
2914 日本たばこ産業 食品 2.7%
9437 NTTドコモ 情報通信 2.6%

(出所:楽天証券スーパースクリーナー)
(注:オフィスREITとは、主にオフィスビルに投資する上場投資信託のこと)

(2)ディフェンシブ業種から好配当利回り株を選ぶ意味

株の配当利回りは確定利回りではありません。業績が悪化し減配になると、利回りは低下し、株価も下がる可能性があります。なるべく、減配になりにくい好配当利回り株を選択すべきです。

ディフェンシブ業種に属する大型株は、利益変動の波が相対的に小さいので、景気悪化時に業績悪化によって減配になるリスクが相対的に低いといえます。