8月10日~14日、窪田は夏季休暇で不在です。その間、「クイズで学ぶテクニカル指標①~⑤」をお届けしています。

本日は最終回です。「⑤チャートの節を読む」をお届けします。

(1)まず、クイズです。

<クイズ> 勢いよく上がってきたH社とI社、買うならどっち?

(注:筆者作成)

(2)チャートの節(前回の高値)を抜けていないのは、どちら?

H社には、何らかの材料か思惑があるようです。1ヶ月ごとに株価が急騰するのですが、1000円を抜くことができずに急落しています。現在、3回目の上昇で940円まで上昇していますが、まだ、前回の高値を抜いていません。したがって、ここで買うのは得策ではありません。その理由は以下の2点です。

  • 過去2回の急騰時に1000円で買った人たちは、その後の急落で「しまった!」と後悔しています。チャートの節(1000円)に近づくと「やれやれ助かった」と売ってくる可能性大です。
  • 売買高が過去2回の上昇時よりも少ないことが気がかりです。これでは、1000円での戻り売りをこなして上昇できるか確信できません。

(3)3度目の正直

I社も、同じように3回目の上値トライで、1000円まで株価が上昇しています。I社は、既にチャートの節(前回の高値)を抜けています。出来高が高水準で、戻り売りをこなして上値トライしています。ここは買ってみておもしろいところです。その理由は以下の2点です。

  • 過去2回の急騰時の高値で買った人たちは、「しまった!」と後悔しています。ところが、その後3カ月が経過しているので、その間に売却した人も多いと思われます。
  • 売買高が過去2回の上昇時よりも大きく、新たな好材料が出ているようです。1000円台で、さらに上昇できそうです。

暴落した株が再度上値をトライするには、ある程度の日柄整理(時間の経過)が必要です。時間がたつうちに高値で買い付けた人の損切りが進み、また、新たな好材料があらわれることもあります。本問のH社は日柄整理が不十分、I社は日柄整理が十分と言えます。

「クイズで学ぶテクニカル指標①~⑤」をお読みいただき、ありがとうございました。私がファンドマネージャーをしていた25年間に、実際に活用していたテクニックの一部を解説しました。

来週より、窪田は、夏季休暇から戻ります。「3分でわかる!今日の投資戦略」は、毎日の投資判断をお伝えするレポートに戻ります。来週からも、本欄をよろしくお願いいたします。