先週は、日経平均が急落・急騰するジェットコースター相場となりました。週前半(8月24・25日)、日経平均は2日間で1,629円下がり、17,806円となりました。週後半(8月26・27・28日)は3連騰で1,530円上昇して、19,136円となりました。週前半は、中国経済への不安、原油急落ショック・米利上げへの不安で世界的にリスク資産が売られる中で、円が急伸し、日経平均が急落しましたが、週後半は、世界的にリスク資産が売られ過ぎの反動で買い戻され、円安に戻る中で、日経平均が急反発しました。

日本株は買い場の判断を継続します。ただし、今週は一本調子の反発にはならない可能性があります。まだ、中国経済と米利上げへの不安は払拭されていないからです。今週の日経平均は、19,000円台で、乱高下する展開となりそうです。

(1)日経平均1万9000円割れでは国内投資家の押し目買いが活発

日経平均週足と売買高:2014年1月4日~2015年8月28日

先週の日経平均週足(矢印添付)は、出来高が増加の中で、長い下ヒゲを出しました。「出来高増加の長い下ヒゲ」は、テクニカル分析では「売られ過ぎからの反発」を示唆します。先週、外国人投資家の強引な売りで、日経平均は一時18,000円割れまで売り込まれましたが、国内投資家からの積極的な買いで、その直後に19,000円台まで買い戻されました。この動きにより、日経平均18,000円台では積極的な買い手が多いことがわかりました。

ただし、日経平均19,000円台では、まだ戻り売りも出そうです。中国リスク・米利上げリスクが払拭されていないことに加え、テクニカル分析で見ても、今しばらく日柄調整が必要とみられるからです。

日本株は買い場と考えますが、20,000円台まで戻るためには、しばらく時間を要すると考えています。しばらく割安な優良株をじっくり押し目買いしていくべき局面になると考えています。

(2)今週の注目指標

今週は、注目指標が多数出ます。日本・中国および米国の景気指標への注目が高くなっています。出てくる指標に反応して、日経平均の乱高下が続きそうです。

  • 日本の7月の鉱工業生産指数(8月31日発表予定)
    日本の景気が4-6月は停滞していますが、7月以降に再び回復を取り戻せるのか考える手掛かりとなります。
  • 日本の4-6月法人企業統計(9月1日発表予定)
    4-6月の設備投資の伸びが注目されます。4-6月期GDP速報値で、設備投資は前期比で微減となっていましたが、法人企業統計での設備投資の伸びが大きければ、4-6月のGDP統計(改定値)で、設備投資が上方修正されることになります。
  • 中国政府発表の8月製造業購買担当者景気指数(PMI)(9月1日発表予定)
    既に発表済みの財新マークイット8月製造業PMIは低く、中国景気への悲観が広がりました。9月1日発表の中国政府発表のPMIで、同様の悪化が見られるか、注目されます。
  • 米国の8月ISM製造業景況感指数(9月1日発表予定)
  • 米国の8月雇用統計(9月4日発表予定)
    米労働市場の改善が続いているデータが出ると、9月利上げの思惑が広がる可能性もあります。