2010年3月本決算は28.6%増益、ITサービス部門の業績が一時的に悪化
現地コード | 銘柄名 | 株価 | 情報種類 |
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00861 | 神州数碼控股有限公司(デジタル・チャイナ) |
13.68 HKD (07/21現在) |
株価 企業情報 チャート |
デジタル・チャイナが発表した2010年3月本決算は、純利益が前年比28.6%増の8億2400万HKドル。市場コンセンサスを7%、BOCIの予想を5%上回った。システム子会社株の売却益3億1800万HKドルを除いたコア利益は同8.8%増の5億5900万HKドル。10年1-3月期の売上高は予想通りの水準だった。同期にはIT製品販売部門で粗利益率が前四半期の4.3%から4.8%に改善。また、昇給および賞与引当金の積み増しと、営業支出の大幅増の影響は、金融商品の再評価益4300万HKドルが相殺した。よって営業利益率は前年同期の1.9%から1.4%への低下にとどまった。同社は1株当たり0.2826HKドルの期末配当を実施する方針で、これにより配当性向は前年度の22%から35%に上昇する。
事業別では、ITサービス部門が10年1-3月期に4800万HKドルの営業損失を計上。チャイナ・モバイル(00941)から受注した調達プログラム開発プロジェクトにより同期の部門売上高は前四半期比19%増、前年同期比80%増に達したものの、同プロジェクトの粗利益率は4-5%と低く、利益率が大幅に圧縮され赤字を招いた。同社のシステム開発の利益率は通常、粗利益率が8-9%、営業利益率が3-4%の水準にある。
IT製品販売部門の10年1-3月期売上高は前年同期比33%増。ただ、10年4-6月期は主要顧客のヒューレットパッカード社(HP)のPC販売不振が影響している。HPのPC事業はデジタル・チャイナのIT製品販売部門、サプライチェーン部門の各売上高のそれぞれ10%、50%を占めている。6-7月以降、国内PC需要の回復がみられるが、BOCIは消費者の購買意欲は引き続き停滞しているとみて、11年3月期のIT製品販売部門の売上高を前年比15%増と控えめな予想値にとどめている。
10年1-3月期は損失計上となったITサービス部門だが、今後は受注の多くを占める通信業界のIT投資の伸びが期待できる。通信会社の国内設備投資額(BOCI推定)は、2010年が前年比20%減の3030億元、2011年が同11%減の2700億元と減少傾向にあるものの、デジタル・チャイナが受注するIT関連事業投資は拡大傾向にあり、2009-12年は11%の年間平均成長率が見込まれるという。通信業界のほか、ケーブルテレビ会社のIT投資も拡大する見通し。デジタル・チャイナはShanghai Media GroupやHunan Broadcasting TVなど大手ケーブルテレビのITサービスプロバイダーを担当しており、ネットワークインフラ整備に向けた投資拡大の恩恵を受ける可能性が高い。
BOCIはITサービス部門の利益率回復を考慮し、同社の11-12年3月期予想EPSをそれぞれ7.9%、14.4%引き上げた。ただ、同社は長期的な成長基調にあるものの国内のIT消費は低調とみて予想値は控えめ。株価については現在11年予想PER15.8倍と妥当な水準で取引されているとみて、先行きを強気から中立の見方に下方修正した。
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