先週の日経平均は、ギリシャ・中国ショックが収束したことを好感して、急反発しました。1週間で871円(4.4%)上昇して、20,650円となりました。日経平均は、ギリシャ・中国ショックで下がった分をほぼすべて取り戻し、ショック前の水準まで戻りました。

今週は、市場の関心がギリシャ・中国から少しずつ離れ、日本の企業業績の実態を見極めることに移っていくと思います。これから始まる4-6月決算発表に注目が集まります。

今週はやや材料不足で、日経平均の値幅は縮小し、20,400円から21,000円の範囲で動くと予想しています。

(1)「海外要因で日経平均が下げたところは買い」を再確認

7月に入り、ギリシャ・中国ショックで日経平均が急落したところは、買い場でした。日本の景気・企業業績は順調に回復しつつあり、海外要因で売られたところは買い場になる、ということを再確認しました。

過去1年の日経平均を見ると、大きな下げ局面が4回ありました。いずれも、海外発の不安材料で外国人投資家が売ってきたものです。日本の景気・企業業績は過去1年、順調に回復しつつありましたので、下げたところは、良い買い場となっていました。

日経平均株価の推移:2014年8月1日―2015年7月17日

今回の下げも含めて4回の下げは、主に海外要因で起こった下落です。

  • 2014年10月の下げ要因
    米国の金融緩和終了・エボラ出血熱の蔓延・欧州の景気悪化・原油急落に伴う混乱
  • 2015年1月の下げ要因
    資源安ショック(原油急落に伴う資源国や米シェール産業の悪化)・ギリシャの信用不安・欧州景気悪化
  • 2015年5月の下げ要因
    米景気失速への不安
  • 2015年6-7月の下げ要因
    ギリシャ信用不安・上海株急落に伴う不安

(2)4-6月決算発表に注目

景気・企業業績の回復傾向が徐々に鮮明になってくると予想しています。ただし、第1四半期から通期(2016年3月期)の業績予想を上方修正する企業は、ほとんどないと考えられます。3月期決算企業は、4月末~5月半ばに、通期予想を公表したばかりです。それが、6月が終わってすぐに修正が必要になることは、稀です。

海外経済が減速傾向であることはマイナス要因ですが、原油安・円安効果が企業業績を押し上げます。輸出企業の今期業績予想の為替前提は、1ドル115円が多いが、足元1ドル124円まで円安が進んでいることは、今期業績の上ぶれ要因となります。

ドル円為替レートの推移:2015年3月2日―7月17日