16日の日経平均は136円高の20,600円でした。ギリシャ・中国ショックで売られた分をほぼ取り戻しました。ギリシャの信用不安、中国景気の失速懸念が完全に払拭されたわけではありませんが、日本の景気・企業業績は順調に回復が続いているので、日本株への投資には前向きに臨んでいいと考えています。

今日は、最高益更新を見込む時価総額2兆円以上の銘柄リストを掲載します。

(1)ギリシャ不安は一旦収束、中国の不安は続く

ギリシャ議会がEUの求める緊縮策を実行するための法案を15日に可決したことから、EUから3年で総額860億ユーロ(約11.7兆円)の金融支援を受けられる見通しとなりました。これで当面、ギリシャのデフォルトは回避される見通しとなりました。

国民投票で否決した緊縮策をチプラス首相が受け入れたことにギリシャ国内では不満が高まっていますが、緊縮受け入れを法制化したことで、EUの支援は得られると考えます。

中国経済の失速懸念は残り、今後とも警戒を要します。中国政府が発表した4-6月GDPは、前年比+7%の高成長でしたが、発表された数字をそのまま信じる人は少なくなっています。中国のGDP推計値は精度が低く、実態はもう少し悪化していると考えられます。上海総合指数も一旦底入れしたものの、今後まだ乱高下するリスクが残っています。

(2)時価総額2兆円以上で最高益更新を見込む企業リスト

これから4-6月期業績の発表が始まります。四半期決算が始まると、市場の注目は企業業績に移っていくと思います。最高益を更新していく力のある企業に、私は特に注目しています。

以下、ご参考までに、現在進行中の決算期で最高益を見込む、時価総額2兆円以上の企業を掲載します。会社が公表している今期の予想利益に基づいて集計しています。会社が業績予想を公表していない企業は、集計対象に入っていません。

今期最高益更新を見込む企業(会社予想ベース)の、今期売上高・営業利益・経常利益・純利益の前年比変化率

コード 銘柄名 売上高 営業利益 経常利益 純利益
1925 大和ハウス工業 6.7% 10.9% -5.2% 6.7%
3382 セブン&アイHLDG 6.0% 8.6% 7.8% 11.6%
4452 花王 4.9% 12.6% 10.2% 9.3%
4519 中外製薬 5.5% 12.0% NA NA
4661 オリエンタルランド 0.9% -4.1% -2.9% 0.2%
4901 富士フイルムHLDG 3.5% 10.2% -3.6% 1.2%
5108 ブリヂストン 8.3% 8.6% 8.2% 6.1%
6201 豊田自動織機 1.5% 6.3% 3.0% 3.2%
6273 SMC 5.9% 4.2% -11.8% -8.7%
6367 ダイキン工業 7.6% 11.2% 8.1% 8.6%
6501 日立製作所 1.8% NA 15.6% 42.5%
6594 日本電産 11.8% 16.9% 17.4% 18.1%
6902 デンソー 3.7% 14.7% 9.4% 6.4%
6981 村田製作所 11.2% 16.5% 5.7% 9.1%
7011 三菱重工業 5.2% 8.1% 9.2% 17.7%
7203 トヨタ自動車 1.0% 1.8% 2.7% 3.5%
7269 スズキ 2.8% 5.9% 2.9% 13.6%
7270 富士重工業 5.3% 18.9% 25.7% 28.7%
8001 伊藤忠商事 NA -12.0% -3.0% 9.8%
8309 三井住友トラストHLDG NA NA -7.7% 3.3%
8725 MS&ADインシュアランスHD NA NA -15.7% 15.2%
8750 第一生命保険 -6.6% NA -9.3% 13.0%
8801 三井不動産 5.3% 4.8% 4.7% 6.8%
8830 住友不動産 5.3% 4.9% 5.7% 9.2%
9020 東日本旅客鉄道 1.6% 4.1% 5.5% 31.9%
9022 東海旅客鉄道 0.1% 1.7% 3.9% 14.7%
9433 KDDI -3.8% 10.6% NA 14.5%
9983 ファーストリテイリング 19.3% 53.4% 56.1% 61.0%

時価総額2兆円以上で今期業績予想を公表している企業から抽出。楽天証券経済研究所が作成。
会社予想が公表されていない部分はNAと表示。ファーストリテイリングは2015年8月期、花王・中外製薬・ブリヂストンは2015年12月期、セブン&アイは2016年2月期、その他は2016年3月期。
【注】売上高・営業利益・経常利益・純利益で過去最高となる部分を黄色で表示。