オンラインゲーム部門の健全な成長を予測、主力のIM部門も成長持続へ
現地コード | 銘柄名 | 株価 | 情報種類 |
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00700 | 騰訊控股(トウジンコウコ) |
124.9 HKD (06/24現在) |
株価 企業情報 チャート |
中国国内のオンラインゲーム市場はすでに急成長期を過ぎたものの、BOCIは今後も安定成長が続くとみている。2010年第1四半期の市場規模は前年同期比28.7%増の79億2000万元に達した(09年第1四半期は同32.5%増)。リサーチ会社iResearchによれば、同業界全体の規模は10年に前年比24.9%増の338億元に達し、13年まで年率平均20%の伸びを維持する見込み。騰訊控股の国内シェアは第1四半期に27%と上向いており、BOCIは大手のシェアがさらに拡大する形で業界統合が進み始めたとみている。コンテンツの類似性や供給過剰から業者間競争は激化しているが、騰訊控股は差別化を狙った複数のタイトルを投入する見込み。BOCIは同社の競争力の高いマルチプラットフォームやゲーム運営事業の豊富な経験を評価。今後も海外の有力ゲーム開発事業者から、大型タイトルの運営権取得を進めるとみている。
一方、同社のIM(インスタントメッセンジャー)プラットフォームのPCU(最大同時ユーザー参加数)は現在1億940万人。BOCIは、同社が今後、国内のネットユーザー数の伸びに合わせる形で、PCUの拡大に動くとの見方だ。国内のネットユーザーは現在4億1000万人に上るが、普及率は30%前後と、韓国の77%、日本の75%を大きく下回る水準。また、国内のブロードバンド加入者数は現在およそ1億人で、工業・情報化部は向こう3年以内に5000万人の伸びを見込んでいるが、BOCIは加入件数1件当たりの利用者を3人と仮定し、ネットユーザーが新たに1億5000万人増える可能性に言及している。マルチプラットフォーム戦略を取る同社は、低コストで膨大なトラフィックを取り込める点が強み。BOCIはさらに、新規トラフィックの中にヘビーユーザーが多いとし、複数のネットサービス分野で後発となった同社が競合他社と同等か、それ以上の勢いをみせていることを高く評価している。また、最も価値の高い資産としてIMおよびコミュニティーサイト部門を挙げ、同社の競争力を評価。最近の賃上げラッシュも消費拡大につながる点で、同社の追い風になるとみている。
中国人民銀行はこのほど、非金融機関による電子決済サービス業務にライセンス制を導入する方針を発表し、最低登録資本金を1億元以上などとする要件を設けた。BOCIは新たな規定がアリババ傘下のAlipayや、騰訊控股傘下のTenpay(第三者決済市場で20.4%のシェアを保有)に有利になるとの見方。電子商取引部門ではアリババに水を開けられている現状を指摘しながらも、同業界では今も有力なビジネスモデルが固まっていない点に触れ、騰訊控股にとっての長期成長エンジンとなる可能性を指摘している。
ゲーム収入の伸び率減速や政府当局によるゲーム関連規定の発表を受け、同社株価は6月初めから約18%調整したが、BOCIは今後も各部門が健全な伸びを持続すると予想し、利益見通しを維持。株価の先行きに対するこれまでの中立的な見方を強気に引き上げた。
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