1-5月の販売が好調、2009年度の未計上売上分加算で大幅増益見込む
現地コード | 銘柄名 | 株価 | 情報種類 |
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00123 | 越秀地産股フン有限公司(エツシュウチサン) |
1.69 HKD (06/18現在) |
株価 企業情報 チャート |
越秀地産が開発した広州国際金融中心(IFC)の商用スペースおよそ4万2000平方メートルには広州友誼商店(GFS)が入居を決定した。GFSの発表によると、7年契約で年間賃料は7655万元。1平方メートル当たりの月額賃料170元(試算)は決して高水準ではないものの、商用スペースに人気のテナントを入居させることはオフィスの入居募集に影響する重要な要素とみられる。ただ、広州の高級オフィス物件の空室率が2010年3月末時点で16%に達し、1平方メートル当たりの賃貸料は月額94元(CB リチャード・エリス調べ)と振るわないため、IFCのオフィス賃貸も苦戦。オフィススペースの月額賃料は1平方メートル当たり160-260元に設定されているが、BOCIは同スペースの実効賃料を175元、2011年の予想入居率を60%と控えめに見積もっている。
IFCの総面積53%に相当する23万7300平方メートルはすでに投資不動産に分類されている。しかし、2009年に計上されたこの分の再評価益はわずか3億HKドル。総工費75億元(1平方メートル当たり1万7000元)に対し、1平方メートルの時価を3万元と推定すると、IFCの資本価値は135億元に上る。今後巨額の再評価益計上が見込まれるが、プロジェクト終了前の2010-11年にはすべて計上されないもよう。
越秀地産の5月の不動産販売額は前月比48%減の5億2900万元(業界平均38%減)。ただし2010年1-5月の販売額は46億元と、前年同期比275%増に達した。同社はすでに年間目標79億元の58%を達成。これはH株を上場するデベロッパーでトップ水準にある。2009年末時点で未計上の販売額および2010年1-5月の販売額の合計107億HKドルは2009年に計上された販売額の2.7倍に及ぶ。こうした状況から、同社は今後大幅な増益達成が見込まれている。ただ、上期販売の好調と11月の広州アジア競技大会開催の影響により、下期は建設および販売のペースをやや落とすとみられる。
今期の堅調な販売状況により、同社の財務体質は健全な水準を維持している。2010年の主な支出は土地代金(30億HKドル)および建設費(60億HKドル)と、年間予想売上高90億HKドルとほぼ同額。今後同社の財務状況が悪化する要因はないとBOCIはみている。また、5月までの成約状況を踏まえ、通期の成約額が目標の90億HKドルを超える可能性も高く、財務状況の好転も指摘されている。
投資不動産の割合の高いデベロッパーは、投資回収期間の長さからPBRが低い傾向にある。2010年予想PBRと、総資産価値に対する投資不動産価値の割合を業界で比較すると、同社の評価は業界内で最も低水準。現在の株価は2010年予想NAVに対し74%のディスカウント(業界平均は53%)水準で、2010年予想PBRは0.8倍(同1.2倍)。今後の高い収益見通し、健全な財務体質、好調な販売状況を踏まえ、BOCIは同社に対する現在の評価を割安と判断。株価の見通しを強気の見方に据え置いている。
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