30日の日経平均は、125円高の20,235円と反発しました。ギリシャが、6月末期限のIMFへの融資返済ができなかったことは「織り込み済み」と考えられます。次の注目は、7月5日のギリシャ国民投票です。そこでギリシャがEUの要求する緊縮策を受け入れるか拒否するか決まります。拒否すればギリシャはユーロ離脱を余儀なくされるでしょう。ギリシャ問題の結末が決まるまで、欧米株式は不安定な動きが続きそうです。

日本株は買い場との判断を継続しますが、すぐに上昇トレンドに戻るとは考えにくいところです。このような局面では、まず大型の割安株から買っていくべきと考えています。今日は、楽天証券スーパースクリーナーを使った銘柄選択の例をご紹介します。

スーパースクリーナーへの行き方

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(1)スーパースクリーナーを使った銘柄選択例

スクリーニング条件

  • コンセンサス・レーティング3.5以上
  • 配当利回り(予想)2.7%以上
  • 時価総額3,000億円以上

スクリーニング結果

(2)コンセンサス・レーティングは重要

上記は、3つのスクリーニング条件から選んだ14銘柄です。私が、3つの条件を選んだ理由を以下に記載します。

  • コンセンサス・レーティング3.5以上

これは、とても重要です。それぞれの銘柄について、多数のアナリストが「買い」「売り」「中立」などの推奨レーティングをつけています。その推奨の平均値をとったものが、コンセンサス・レーティングです。

まず、どのようにレーティングを計算するか説明します。1つの例で説明します。アナリストの推奨レーティングは通常、以下のように分布しています。

レーティング分布

上記の銘柄では、さまざまな証券会社に所属する13人のアナリストがレーティングをつけています。7人が「強気(または買い)」、2人が「やや強気」、3人が「中立」、1人が「弱気(または売り)」と判断しています。

コンセンサス・レーティングを計算する際、まずアナリストの推奨をスコア(数値)に換算します。強気は5、やや強気は4、中立は3、やや弱気は2、弱気は1として、平均値を計算します。上記銘柄について計算すると、以下の通り、約4.1となります。

(5点×7人)+(4点×2人)+(3点×3人)+(1点×1人)=53点  53点÷13人=平均4.08

証券会社のアナリストは、通常、IR担当者や経営陣を取材してディスカッションした上で、レーティングを決めています。アナリストが現在、この銘柄をどう見ているか知ることは大切です。ただし、1人のアナリストの意見だけ見ても十分とはいえません。そのアナリストの意見が片寄ったものかもしれないからです。多数のアナリストの意見を一覧して、その銘柄がどう見られているのか参考にすることが大切です。

コンセンサス・レーティングが3(中立)以下の銘柄には、株価に織り込まれていない悪材料がある場合もあります。そこで私は、今回のスクリーニングではレーティング3.5以上を条件としました。

  • 予想配当利回り2.7%以上

日経平均は買い場だと考えていますが、短期的にはまだ波乱含みです。こんな時は、まず割安な優良株から買っていくのがいいと考えています。予想配当利回りが高いということは、株価が割安である可能性が高いことを意味します。人気が過熱して株価が上昇している株は、配当利回りが低くなります。好配当利回りのスクリーニングで出てくる銘柄は、現時点で、株価が過熱している銘柄ではないと言えます。

  • 時価総額3,000億円以上

日経平均が急落した時、最初に押し目買いを入れるのは、時価総額が大きい株が良いと考えています。日経平均が下落から上昇に転じる初期は、大型株の上昇率が高くなる傾向があるからです。もちろん、成長性を期待する小型株への投資も魅力はありますが、ここでは時価総額の大きい株から選ぶこととしました。