18日の日経平均は228円安の19,990円と、2万円を割れました。アメリカが年内に利上げを実施する公算が高まったこと、ギリシャ破綻のリスクが高まってきたことを嫌気した外国人投資家の売りが、日本株にも出ている模様です。これから、日本の景気・企業業績の回復色が強まると予想していますので、ここは買い場と判断します。

(1)海外要因で日経平均は下げているが、国内景気は順調に回復

日経平均の下げは、国内要因ではなく海外要因に起因すると考えられます。日本は今、景気回復がようやく鮮明になりつつあります。設備投資が回復しつつあること、消費が持ち直しつつあること、さらに、輸出もようやく増加しつつあります。景気回復の足取りはだんだんしっかりしてきています。

ところが、海外に目を転じると、いろいろな不安材料があり、欧米株式は調整しています。最大の不安は、アメリカの利上げが近づいてきたことです。また、ギリシャがEUを離脱してデフォルト(債務不履行)を起こす不安も高まっています。

ただし、たとえアメリカが利上げをしても、ギリシャが破綻しても、日本の景気・企業業績の回復トレンドが変わるとは考えられません。海外発の不安で、外国人投資家が売ってきた今、日本株は買い場と判断しています。

(2)昨年8月以降、日経平均は3回の下げ局面があったが、いずれも買い場であった

日本の景気は、昨年4月―9月に停滞しましたが、10月以降底打ちし、今年に入ってから回復色を強めています。日本の景気だけ見ると、過去1年は、改善が続いていました。

ところが、日経平均を見ると、過去1年で3回下げ局面があります。いずれも、国内要因ではなく、主に海外要因によって外国人が日本株を売って下げたものです。

日経平均株価:2014年8月1日―2015年6月18日

今回の下げも含めて4回の下げの、下落を引き起こした要因を以下にまとめました。

  • 2014年10月の下げ
    米国の金融緩和終了・エボラ出血熱の蔓延・欧州の景気悪化・原油急落に伴う混乱が嫌気されました。

  • 2015年1月の下げ
    資源安ショック(原油急落に伴う資源国や米シェール産業の悪化)・ギリシャの信用不安・欧州景気悪化が嫌気されました。

  • 2015年5月の下げ
    米景気失速への不安が嫌気されました。

  • 2015年6月(現在)の下げ
    アメリカで年内利上げの公算高まり欧米で長期金利が上昇、ギリシャ信用不安が再燃しました。

①~③の下げ局面では、いずれも外国人が売り、国内の個人投資家が買い向かっていました。今回も、国内には特に悪材料がないので、この下げ局面は買い場となると考えられます。