10年1-3月期に大幅増益、小売部門の安定成長などで2ケタ増益持続へ
現地コード | 銘柄名 | 株価 | 情報種類 |
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00291 | 華潤創業(チャイナ・リソーシス) |
25.5 HKD (05/25現在) |
株価 企業情報 チャート |
華潤創業の2010年1-3月期の純利益は37億HKドルと、前年同期の3億6900万HKドルを大幅に上回った。エスプリ(00330)との合弁会社の権益売却益(最大30億HKドル)や不動産再評価益などの特殊要因を除いた場合、同期のコア利益は前年同期比49.2%増の4億9100万HKドルとなり、ほぼBOCIの予想範囲内。昨年後半に買収した天津市の大型ディスカウントストア・チェーン「ホームワールド」が利益貢献を開始したことや、季節外れにもかかわらずビール部門が利益を計上したことなどが好決算を支えた。一方、同社は昨年下期にテキスタイルおよびコンテナ港の保有権益を親会社に売却したため、両部門の貢献が完全に消え、2月に売却したエスプリ合弁会社の利益貢献は2600万HKドル。また、小売部門の利幅がやや低下する半面、食品加工および流通部門の利幅が上向き、純利益率は安定推移した。
事業別にみると、小売部門の売上高は55.6%増の139億HKドルで、「ホームワールド」効果を除いた自律成長率は18.2%。既存店売上伸び率は前年の0.8%を大きく上回る8.1%に達した。同社経営陣によれば、10年通期の既存店売上伸び率は5%に近い水準を達成する見通しという。地域別では、本土小売部門の利益率が前年同期比横ばいの1.7%。09年に赤字だった「ホームワールド」の黒字化に加え、実効税率の低下や調達部門の統合などが寄与した。一方、香港部門の売上高は高額消費の回復を背景に11.8%増。既存店売上伸び率が9.1%に好転し(前年は5.5%減)、利益率も上向いた。
ビール部門の損益は前年の400万HKドルの赤字から1900万HKドルの黒字に転換した。閑散期に当たる1-3月期の利益計上は初めて。BOCIはスケールメリットが収益性の改善が寄与したとの見方。また、新生産施設の稼働でビール販売量は10%増え、平均価格も前年同期を1%上回った。原材料価格が高騰する中、経営陣はビール消費のピーク期に値上げに踏み切る可能性を明らかにしている。このほか、非アルコール飲料部門は31%増収を確保しながらも67%減益。新製品の広告宣伝費の増大が響いた。
食品加工部門は安定成長を遂げ、5%増収、18.4%増益。食肉処理能力の増強を背景としたスケールメリット効果で利益率も上向いた。同社は最近買収した広西チワン族自治区南寧市の用地に先進型の豚肉処理施設(年間処理能力150万頭)を建設する計画であり、将来的には中国南西部およびASEAN諸国向けの貯蔵・卸売拠点とする方針。
BOCIはテキスタイル、港湾権益の売却による収益の目減りをその他部門が補ったことを前向きに評価。小売部門の安定成長や飲料部門の利益率の伸びを見込み、2010-12年の増益率がそれぞれ前年比29.8%、30.9%、19.7%に上ると予想した(継続事業ベース)。また、豊富な手元資金や純負債比率の低さ(3月末時点で5%)に触れ、この先の買収活動に向けた資金的優位を指摘。株価に対する中立的な見方を強気に引き上げた。
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