先週の日経平均は、黒田日銀総裁の発言「ここからさらに実効レートが円安に触れることはありそうにない」を受けて、一時122.45円まで円高が進んだ9日に、一時20,016円まで急落しました。ただ、日本の景気回復が徐々に鮮明になりつつあることを受けて、週後半は押し目買いが入って反発しました。週末の日経平均は20,407円で、1週間で53円下がりました。

今週は、引き続き20,000円台でのもみあいと考えます。

(1)好材料と懸念材料が共存

好材料と懸念材料が共存しているため、日経平均はもみ合いが続きそうです。

日本の景気回復が鮮明になりつつある

世界的に金利が上昇、欧米株式が調整、ドル円為替レートが乱高下

日経平均日足:2015年1月4日―6月12日

NYダウ日足:2015年1月21日―6月12日

(2)欧米の長期金利が、6月11・12日には反落

先週の木・金曜日に、欧米の長期金利は小反落しています。もし、これで欧米の長期金利上昇が止まり、世界的に長期金利が反落するようだと、欧米株式にプラス要因となります。

米・英・独・日の長期金利の動き:2015年4月1日~2015年6月12日

ただし、1つ注意を要するのは、ドル円為替の動向です。ドル金利の上昇期待からドル高(円安)が進んできましたが、ドル金利の先高観が低下して、ドル金利が低下すると、ドル安(円高)にふれる可能性もあります。

日本の景気・企業業績の回復が鮮明になってきているので、日経平均はいずれ上値トライするものと考えます。ただし、目先、世界的な金利上昇や、円高進行懸念が、日経平均の上値を抑える可能性もあります。日経平均が上値トライする時期については、慎重にみきわめていく必要があると思います。