20日の日経平均は170円高の20,196円と続伸し、年初来高値を更新しました。企業の利益拡大が続いていることから、日経平均2万円強でもPER(株価収益率)は約16倍となり割安と言えると思います。

今後、景気・企業業績の回復が徐々に鮮明になっていくと予想していますので、日経平均は下値を切り上げる展開となると思います。

(1)1-3月GDP(速報値)は前期比年率2.4%増

日本の実質GDP成長率(前期比年率):2012年1-3月期~2015年1-3月期

【注】内閣府データより楽天証券経済研究所が作成。
2012年4-11月は内閣府が暫定的に景気後退期と定めている。
2014年4―9月については楽天証券経済研究所では短期景気後退期に該当すると判断

日本の景気が徐々に回復に向かっていることが、GDPデータからもわかります。1-3月期は昨年10-12月期に続いてプラス成長を確保しました。

日本の景気は、民主党政権下の2012年に後退色が強まりましたが、自民党政権に変わった2013年から円安を原動力として回復に向かいました。ところが、2014年は、消費税引き上げの影響で、4~9月までGDPは2四半期連続でマイナスでした。日本は「ミニ景気後退」状態にありました。

2015年1-3月期は、内需中心に回復しました。1-3月のGDP速報値は、前期比年率2.4%増ですが、非年率では0.6%増でした。内、内需の寄与度が+0.8%、外需(輸出マイナス輸入)の寄与度は▲0.2%でした。

輸出は伸びました(2.4%増)が、輸入がそれ以上に伸びた(2.9%増)ため、1-3月の外需のGDPへの影響は▲0.2%とマイナスでした。ただし、貿易収支は、3月(速報値)で黒字転換しており、4-6月期GDPへの外需寄与は、プラスになると予想されます。

日本の貿易収支(通関ベース)推移:2015年1月~3月

【注】財務省データに基づき楽天証券経済研究所が作成

(2)企業業績にも回復色

東証一部上場3月期決算企業(除く金融)の経常利益

2014年3月期 実績 +36%
2015年3月期 実績 +6%
2016年3月期 会社予想 +9%
楽天証券予想 +15%

【注】楽天証券経済研究所が作成。
2015年3月期については、東芝など一部業績発表が遅延している企業は集計に含んでいない。

2015年3月期は、消費増税によって景気が停滞したため、経常増益率は+6%に鈍化しました。再び、景気回復色が強まる2016年3月期には、経常増益率が+15%に高まると予想しています。ただし、会社予想を集計したベースでは、今期は+9%の経常増益です。日本企業は期初は保守的(低め)に予想を出す傾向が強く、今後、会社予想は徐々に上方修正されていくと考えられます。

ちなみに、前期(2015年3月期)の増益率については、期初(昨年5月)時点での会社予想を集計すると+1.7%でした。それが、徐々に上方修正され、最終的には+6%になりました。