20日の日経平均は18円安の19,634円でした。先週末(17日)のNYダウが279ドル安の17,826ドルであったことが嫌気されました。最近、NYダウに調整色が出つつあることを受けて、日経平均も上値が重くなっています。
ただし、20日のNYダウは、208ドル高の18,034ドルと反発しました。中国の追加金融緩和を好感しました。今日の日経平均は上昇して始まる見込みです。
(1)昨年4月に話題になった米国の相場格言「Sell in May and Go Away(5月に売り逃げ)」は、今年は当たるか?
2014年4月に、「5月に売り逃げ」が盛んに語られました。なぜかと言うと、2010~2013年までの4年間、NYダウはほぼ格言通り、5月に下がっていたからです。まず、それをグラフで見てみましょう。
NYダウ:2011年・2010年の動き
2010年・2011年は、2年続けて、5月にNYダウが下がりました。
NYダウ:2013年・2012年の動き
5月の下げが一番強烈であったのは、2012年です。4月まで世界中の株が一斉に上昇する強気相場が続いていましたが、5月になって当時米FRB議長であったバーナンキ氏が、「将来、金融緩和の縮小が必要になる」と発言すると、NYダウを含め世界中の株が暴落しました。「Sell in May」恐るべし、と世界中に印象つけました。
2013年は4月辺りから「Sell in May」が意識されて神経質な動きとなりましたが、5月前半まで株が下がらず「今年は大丈夫か」というムードになりかかったところで、5月後半からNYダウが大きく下がりました。「Sell in May」恐るべしの印象を強めました。
こうなると、「Sell in May」の話題性はとても高まります。2014年4月になると、5月に相場が下がって当然のようなムードが一時広がりました。その結果、どうなったのでしょうか?以下をご覧ください。
NYダウ:2014年と、2015年(4月20日まで)の動き
2014年5月のNYダウは、順調な上昇相場となりました。みんなが「Sell in May」を話題にして大騒ぎしたのに、見事に外れたので、「Sell in May」の権威は失墜しました。
そのおかげで、今年は4月になるのに、あまり「Sell in May」を話題にする人がいません。昨日のNYダウ反発で、底割れ懸念も一旦払しょくされました。それでも、私は今年の5月のNYダウは、上値の重い展開と思っています。足元の米企業業績のモメンタムが低下していること、今年後半にアメリカで利上げが見込まれることが、NYダウが上がりにくい環境を作っているからです。
(2)日本株投資への示唆
しばらくNYダウは、上値が重いままと考えています。NYダウの上値が重いと、日本株への外国人投資家の買いは一時的に減る可能性もあります。ただし、日本の景気・企業業績はこれから回復色が強まると考えています。もし5月に日本株が下がる局面があれば、そこは買い場となると判断しています。
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