先週は、10日(金)朝9時7分に日経平均は20,006円と、15年ぶりに2万円台に乗せました。利益確定売りが出て引けは19,907円と2万円を割れましたが、それでも1週間で472円の上昇となりました。
外国人投資家の買いが、日経平均の上昇を牽引しています。今週は2万円到達を受けて、国内投資家からは利益確定売りが増えそうですが、外国人投資家の積極買いが続き、日経平均は終値で2万円台に乗せてくると予想します。
(1)日経平均は一時2万円、上昇ピッチはやや速過ぎるものの、過熱感は特にない
日経平均週足と26週移動平均線、移動平均からのかい離率の推移:2012年10月1日~2015年4月10日
日経平均が26週移動平均線からどれだけ上にかい離しているか見ることによって、相場の過熱感を測ることができます。短期的な上昇が速過ぎた2013年5月(上のグラフで赤の矢印をつけたところ)では、かい離率は30%に達しました。この時は、アメリカFRB(中央銀行)の議長だったバーナンキ氏が「将来、金融緩和の縮小が必要になる」と語っただけで、世界中の株が急落しました(バーナンキ・ショックと命名されています)。世界的に株式相場が過熱していて、ちょっとしたきっかけがあれば、急落しかねない状況にあったと言えます。
その後、日経平均は上昇が続いていますが、移動平均線からのかい離率が2013年5月ほど高まることはありませんでした。4月10日時点ではかい離12%であり、過熱感があると言うほどの高さではありません。
(2)日経平均の上昇率が、NYダウの上昇率より高い状況が継続
米国の景気・企業業績にやや減速感が出ています。1-3月の主要企業のEPS(一株当たり利益)は、前年比でマイナスの観測も出ています。それでも、米国FRBは今年利上げを実施する方針は崩していません。こうした背景から、NYダウは上値が重くなっています。
一方、日本の景気・企業業績はこれから回復に向かう見込みです。原油安・円安が追い風となります。それでもインフレ率が上昇しなくなっているため、日本銀行が異次元緩和をやめることは考えにくい状況です。
このように、企業業績のモメンタムと金融政策の方向性が、グローバル投資家にとって、ともに米国株よりも日本株を選好しやすい状況を作り出しています。それで今年に入り、日経平均のNYダウに対するアウトパフォーム幅が拡大しており、当分、この傾向が続くと予想しています。
日経平均とNYダウの動き比較:2013年1月~2015年4月10日
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