今週の日経平均は、上値の重い展開と考えます。先週の日経平均は、1週間で274円下がって19,285円となりました。これまで外国人投資家の積極的な買いで上昇してきた日経平均ですが、先週後半はNYダウ調整を受けて外国人の買いの勢いが落ちたため、反落となりました。しばらく、外国人買いの勢いは弱まると思います。
ただし、日本の景気・企業業績の回復色が強まるとの見通しは変わりませんので、下がったところは買い場と判断しています。
(1)日経平均は上昇ピッチが速すぎるので目先スピード調整か
日経平均株価の推移:1998年―2015年3月27日
ただし、原油安・円安効果から、これから日本の景気・企業業績の回復色が強まり、年末に日経平均が21,000円まで上昇するという予想は継続します。
(参考)3月16日のレポート「今週の日本株見通し 年末の日経平均予想を引き上げ」
(2)26日に好配当利回り株を買うのは「お得」か?
ここから先は、以下の2つのレポートの続編となります。
3月25日「3月決算の好配当利回り株を26日に買うのは有利か?」
3月27日「3月決算の好配当利回り株を26日に買うのは有利か?(続編)」
まずは結論です。
配当落ち直前に、配当利回り株を買うと、買ってすぐ配当金を受け取る権利が確定するので「お得」と感じる人がいますが、現実には、そうでない場合が多い。
配当落ち日が近づくにつれて、配当取りの買いで株価が上昇し、配当落ち日に、株価が大きく 下がることが多いからです。
配当利回りが特に高くない株は、配当取りの買いは入りませんので、配当取り直前に買っても問題ありません。
予想配当利回りの高い以下の5銘柄について、配当落ち前後の株価の動きを検証しました。
3月決算で予想配当利回りが比較的高い5銘柄
コード | 銘柄名 | 26日株価:円 | 予想配当利回り |
---|---|---|---|
9759 | NSD | 1,839.0 | 4.2% |
8031 | 三井物産 | 1,701.0 | 3.8% |
7518 | ネットワンシステムズ | 837.0 | 3.6% |
6932 | 遠藤照明 | 1,478.0 | 3.4% |
8304 | あおぞら銀行 | 441.0 | 3.3% |
上の表に出ているのは、権利付き最終売買日(26日)の終値です。そこで、買うのと、権利落ち日(27日)初値で買うのと、どちらが得か、比較します。
会社による予想配当金(1株当たり)
コード | 銘柄名 | 年間配当金 | 内 中間配当金 | 内 期末配当金 |
---|---|---|---|---|
9759 | NSD | 78円 | 45円 | 33円 |
8031 | 三井物産 | 64円 | 32円 | 32円 |
7518 | ネットワンシステムズ | 30円 | 15円 | 15円 |
6932 | 遠藤照明 | 50円 | 25円 | 25円 |
8304 | あおぞら銀行 | 14.7円 | 10円(注) | 4.7円 |
26日の終値で投資すると、上の表の期末配当金(赤字)を受け取る権利が確定します。
配当落ちの理論株価
コード | 銘柄名 | 26日株価 | 期末配当金 | 配当落ち理論株価 |
---|---|---|---|---|
9759 | NSD | 1,839.0円 | 33円 | 1,806円 |
8031 | 三井物産 | 1,701.0円 | 32円 | 1,669円 |
7518 | ネットワンシステムズ | 837.0円 | 15円 | 822円 |
6932 | 遠藤照明 | 1,478.0円 | 25円 | 1,453円 |
8304 | あおぞら銀行 | 441.0円 | 4.7円 | 436.3円 |
26日の終値から、期末配当金を差し引いたものが、各社の配当落ち理論株価(赤字)となります。
(3)26日に買うのと27日に買うのはどちらが「お得」か検証
それでは、まず、権利落ち理論株価と、27日の初値を比較しましょう。
権利落ち理論株価と、権利落ち日の初値を比較
コード | 銘柄名 | 配当落ち理論株価 | 27日初値 | 理論価格比 |
---|---|---|---|---|
9759 | NSD | 1,806.0円 | 1,762円 | -2.4% |
8031 | 三井物産 | 1,669.0円 | 1,638.0円 | -1.9% |
7518 | ネットワンシステムズ | 822.0円 | 812.0円 | -1.2% |
6932 | 遠藤照明 | 1,453.0円 | 1,455.0円 | 0.1% |
8304 | あおぞら銀行 | 436.3円 | 437.0円 | 0.2% |
27日は寄り付きで日経平均が0.5%下がっています。上記5銘柄のうち3銘柄は、理論株価よりも0.5%以上、下で値が付いています。つまり、5銘柄のうち3銘柄は、26日の終値で買うより、27日初値で買った方が良かったことになります。
それでは、5銘柄の27日終値とも比較します。
権利落ち理論株価と、権利落ち日の終値を比較
コード | 銘柄名 | 配当落ち理論株価 | 27日終値 | 理論価格比 |
---|---|---|---|---|
9759 | NSD | 1,806.0円 | 1,782円 | -1.3% |
8031 | 三井物産 | 1,669.0円 | 1,639.5円 | -1.8% |
7518 | ネットワンシステムズ | 822.0円 | 814.0円 | -1.0% |
6932 | 遠藤照明 | 1,453.0円 | 1,420.0円 | -2.3% |
8304 | あおぞら銀行 | 436.3円 | 437.0円 | 0.2% |
27日大引けで日経平均は1%下がっています。上記5銘柄のうち3銘柄(NSDと三井物産と遠藤照明)は、理論株価よりも1%以上、下でひけています。つまり、この3銘柄は26日終値で買うより、27日終値で買った方がお得だったことになります。
は、四半期配当(年間配当を3ヶ月ごと4回に分けて払うこと)をしているので、配当利回りは高い方ですが、あまり直前の配当取りは入っていなかったようです。あおぞら銀行(8304)
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