3月26日時点で、長期金利(新発10年国債利回り)は0.3%です。これに対して、東証一部の配当利回り(加重平均)は1.6%です。日本株の上昇ピッチが速く、「日本株はバブル」という人もいますが、私はそうは思いません。日本株はなお割安と考えます。

私は1,000兆円超の債務を抱えた日本国が、たった0.3%の利回りで10年国債が発行できることの方が異常と思います。日銀が大量に長期国債を買いつけるので、国債はこのような高値(低い利回り)が維持できていると思います。私は「日本株は割安で国債がバブル」と考えています。

(1)かつて長期金利5%の時、日本株配当利回りは1%もなかった

1993年にさかのぼると、長期国債が割安で、日本株は割高であったことが明らかです。当時は、長期金利は5%ありましたが、株の配当利回りは1%もありませんでした。

東証一部配当利回りと長期金利推移:1993年5月~2015年3月25日

(注:東証一部配当利回りは加重平均、長期金利は10年もの新発国債利回り、
楽天証券経済研究所が作成)

その後、長期金利がどんどん下がる中、東証一部の配当利回りは、じりじりと上昇が続きました。そして、今、東証一部の配当利回りは、長期金利を1%以上、上回る水準にあります。

(2)日経平均は、年末に21,000円に上昇を予想

日経平均株価の推移:1998年~2015年3月25日

(注:楽天証券経済研究所が作成)

日経平均は、リーマンショック前(2007年)の高値(18,261円)を抜け、ITバブル時(2000年)の高値(20,833円)を目指して上昇中と見ています。

今の日本企業の収益力・財務内容・株主への利益配分姿勢はいずれも、2000年・2007年に高値をつけた時よりも、格段に改善しています。2000年の相場は「ITバブル相場」といわれ、利益のあまり出ていない一部のIT株が高値に買われただけで、大部分の日本企業は低水準の利益に苦しんでいました。銀行の不良債権問題が続いており、財務に不安を抱えた企業もたくさんありました。

2007年は、2000年当時より日本企業の収益力・財務内容とも改善しましたが、それでも今と比べるとまだ見劣りします。

財務内容・収益力・株主への利益還元が、いずれも改善した今、私は、日経平均は2015年末に21,000円、2016年末には23,000円まで上昇すると予想しています。