2009-11年の利益見通しを下方修正、ヘッジ損失が業績下振れ要因に

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00358 江西銅業(チアシー・コッパー) 17.58 HKD
(12/24現在)
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BOCIは江西銅業の2009-11年通期の利益見通しをそれぞれ35%、6%、10%の幅で下方修正した。09年に予想されるヘッジ損失の拡大や、09-10年のコスト増大見通しを織り込んだことが背景。これに伴い目標株価を引き下げながらも、同社株価の先行きに対する強気の見方を継続した。

銅販売部門が同社の09年6月中間期の営業利益に占める割合は55.1%。一方、金および銀が占める割合は計36.8%で、ほかに硫酸が1.9%。BOCIは銅価格が引き続き高水準で推移すると予想し、その理由として、銅鉱山の劣化や買収後の稼働の遅れ、従業員ストによる生産量の落ち込みを受けた世界的な需給ひっ迫感を挙げた。また、投機買いの動きや世界的な景気回復傾向なども、銅相場の高止まりを支える要因として指摘している。中国国内の銅平均価格は09年に前年を23%下回る1トン当たり4万2131元(付加価値税VATを含む)にとどまったが、同年10-12月期には前四半期比で13%上昇。現在の国内銅価格は同5万5325元の水準に達している。

BOCIは同社の09年通期の生産量について、銅カソード80万トン、金20トン、銀430トン、硫酸22万トン、銅製鉱16万7000トン、銅ロッドおよび銅線を含むその他加工製品48万トンを予想している。一方、製錬部門については、現在のTC/RC(溶錬・製錬費)の契約価格水準で、ようやく採算ラインに乗る状況にあるとの見方(現行価格は溶錬費が1トン当たり75米ドル、製錬費が1ポンド当たり0.75米ドル)。同部門の収入のうち、長期契約分の割合は7割に上り、残り3割をスポット価格が占めるとみている。また、BOCIの推測によると、同社の09年通期の銅生産量は80万トンに達したが、うち自社鉱山の産出分が占める割合はわずか16万トンに過ぎず、自給率は推定およそ20%。ただ、同社は江西省徳興市に保有する銅鉱山の拡張工事を2011年までに終える見込みであり、これに伴い、同鉱山の生産量は4万トンに拡大する運び。また、城門山の鉱山拡張計画も10年末の完工を予定しており、年産量が8000トン拡大する見通しとなっている。 江西銅業にとっては銅相場や金相場の上昇推移が追い風だが、同社の業績はヘッジ損失の計上により、ほぼ毎回のように予想を下回る水準にとどまっている。ヘッジ契約をめぐる不透明性が予想数字とのかい離を生んでいる一因。BOCIによれば、同社の情報開示の不足や透明性の欠如が業績の下振れリスクにつながっているという。 BOCIは銅および金相場に対して強気見通しを示す一方、こうした点から同社のバリュエーションにリスクプレミアムを積み増し、今回の目標株価の下方修正を行ったと説明している。