9日の日経平均は、180円安の18,790円となりました。2月の米雇用統計が強く、アメリカで早期利上げ懸念が高まったことが警戒されました。米景気の強さを反映して1ドル120.80円へドル高(円安)が進みましたが、それでも日経平均は下がりました。
(1) 昨年12月30日のレポートに掲載した2015年の日経平均予想チャートを再掲
2013年・2014年の日経平均推移と、2015年の日経平均予想
この時の日経平均予想は、「3月に19,000円をつけたあと、5月にかけて17,000円に下がり、年末に20,000円に上昇する」でした。
日経平均は、3月6日に18,971円まで上昇しました。19,000円まで後29円足りないですが、ここまでは、ほぼ予想通りの展開です。
(2)5月に日経平均は大きく下がるか?
それでは、日経平均は今後、17,000円まで下がるのでしょうか?12月30日のレポートには、以下の通り書いています。「(3月から5月にかけての)調整の幅は、2,000円(19,000円→17,000円)と予想していますが、利上げ以外のリスク(逆オイルショックや中国景気失速懸念)が重なるかどうかで、もっと大きくなることも小さくなることもあり得ます。」
私は、「目先スピード調整が必要」と考えていますが、下値は18,000円程度に留まる」と今は考えています。GPIF(約130兆円の運用資産を持つ公的年金)、日銀の日本株買いが入り続けていることが下値を支えそうです。また、上昇局面では売り続けている個人投資家が、下がるとすかさず買ってくる傾向があることも、日経平均の下値を支えそうです。
12月30日のレポートには、以下の通り、書いています。「2015年の最大のリスクは、米FRBが年半ばに利上げを始めると見込まれることです。アメリカの利上げが意識されるにしたがって、世界の投資マネーは警戒感を高めていくことになります。そこに、逆オイルショックや地政学リスクなどの、不安材料が重なると、売りが売りを呼んで世界的な株式市場の波乱に発展することがあります。」
今も、基本的な考えは変わりません。
(3)景気回復への追い風
昨年12月30日には、以下の項目を挙げています。この考えは今も変わりません。
(4)2015年の懸念材料
12月30日では以下の項目を挙げています。その考えも変わりません。
(5)企業業績見通し
東証一部 全産業(除く金融)ベース経常増益率
2014年3月期 | 実績 | +36% |
---|---|---|
2015年3月期 | 12月30日予想 | +12% |
同 | 3月9日予想 | +9% |
2016年3月期 | 12月30日予想 | +8% |
同 | 3月9日予想 | +11% |
昨年12月30日時点では、今期(2015年3月期)12%、来期(2016年3月期)9%の経常増益を予想していました。今年の1月11日に、今期9%、来期11%増益に予想を修正しました。
原油急落の影響で、(高値在庫の)在庫評価損や(資源権益の)減損が出ることが、今期業績予想を下げた主な理由です。一方、在庫評価損や減損の影響がなくなり、原油下落による業績押し上げ効果が出ることから、来期の増益率は高くなると考えました。
(注)本レポートの記載は、あくまでも筆者予想であり、実際の動きは異なる可能性があります。
本コンテンツは情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。銘柄の選択、売買価格等の投資の最終決定は、お客様ご自身でご判断いただきますようお願いいたします。本コンテンツの情報は、弊社が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、その情報源の確実性を保証したものではありません。本コンテンツの記載内容に関するご質問・ご照会等には一切お答え致しかねますので予めご了承お願い致します。また、本コンテンツの記載内容は、予告なしに変更することがあります。