2009年9月中間期に11%増益、年度下期以降に収益成長回復を予想

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00341 大家楽集団(カフェ・デ・コラル) 17.56 HKD
(11/26現在)
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大家楽集団の2009年9月中間決算は、純利益が前年同期比11%増の2億2100万HKドルと、同社経営陣が示した年率15%の長期成長見通しをやや下回った。売上高は同2%増の23億1900万HKドル。BOCIは新型インフルエンザ流行を受けた中国本土からの旅行者数の落ち込みに加え、新店舗の低調な売り上げが影響したと見ている。同社によれば、中間期には豚肉価格が前年同期比25%下落するなど、全般に食材価格が低下。その結果、粗利益率が67.9%へ1.2ポイント上昇し、2ケタ増益を支えたという。

中間配当は前年同期を15%上回る1株当たり0.17HKドルを予定しており、経営陣は年間の配当性向を70%に維持する方針。9月末の手元現金は8億8170万HKドルと、前年同期の6億6060万HKドルを上回った。通期の設備投資予算は2億5000万HKドルで、うち1億2000万HKドルを新規出店に充当する計画。これとは別建てで留保している買収資金は3億HKドル。香港の不動産相場の上昇を受け、留保金の額も前年の2億HKドルを上回った。ただ、同社は買収を検討するに当たり、あくまで戦略的価値や投資収益率を重視する方針を示している。

ファストフードチェーン「大家楽」の客単価はほぼ前年同期並みとなる29.5HKドル。「スパゲティハウス」の客単価は景気低迷が響き、前年同期の85HKドルから70HKドルに低下した。ただ、経営陣は景気回復に伴い外食費も上向くとの見方であり、クリスマス、旧正月(来年2月)シーズンには「大家楽」の客単価が30HKドルに増えると予想。「スパゲティハウス」についてはさらに大きな伸びを見込んでいる。 BOCIは店舗数が増える半面、香港での既存店売り上げがほぼ前年同期比横ばいにとどまったと推定している。また、香港での営業利益率は約0.8ポイント上昇した。一方、中国本土市場では利益率が前年同期並みにとどまる半面、売上高は同26%増。このほか、北米市場の部門損益は100万HKドルの赤字だった(前年同期は300万HKドルの赤字)。 新規の出店はほぼ計画通りに進み、中国南部地域では10店舗を開業。同地域の店舗総数を中間期末に62店舗に伸ばした。経営陣は2014年までに南部地域で200店舗、東部地域で35店舗への拡大を目指す方針。また、香港では「一粥麺」の新店舗7店を出店し、同チェーンの総店舗数を17店とした。 BOCIは景気低迷が中間決算に影響したとしながらも、年度下期以降には売り上げ成長を回復すると予想。さらに経営陣が示した年率15%の利益成長を確保すると見ている。また、2011年度、12年度には食材価格がやや上向くとの見通しを示しながらも、広州および香港の食品加工工場が2010年、11年に相次いで操業を開始するのに伴い、コスト削減効果が期待できるとの見方。同社株価の先行きに強気の見方を継続している。