5日はソニー(6758)の株価が前日比12%高と急伸しました。2015年3月期の営業利益を400億円の赤字予想から200億円の黒字予想に修正したことが好感されました。さて、10-12月(2015年3月期の第3四半期)の発表もピークを過ぎました。決算内容はおおむね良好です。今日は、4日までの発表分について内容をまとめます。

(1)第3四半期までで7.8%経常増益

4日までに、東証一部上場3月期決算企業の53%に当たる754社が第3四半期(10-12月期)決算を発表済みです。金融を除く648社について、発表内容を集計したのが、以下の表です。

 
 

東証一部上場、第3四半期決算発表済みの648社(金融を除く)の経常利益

  2014年4~12月実績 前年比 2015年3月期(会社予想) 前年比
648社経常利益 15兆8,030億円 7.8% 19兆8,116億円 4.9%

(注:東証一部上場3月期決算企業で、通期経常利益の予想を開示していて前期実績との比較が可能な648社(金融を除く)について、楽天証券経済研究所が集計。
SEC基準・IFRS採用企業については、連結税前利益を経常利益とした)

2014年4~12月期の経常利益実績(15兆8,030億円)の、通期予想(19兆8,116億円)に対する進捗率は約80%です。2014年4~6月の国内景気が4月1日の消費増税の影響で低迷していたことを考慮すると、進捗率は高いといえます。

(2)2015年3月期(通期)予想はさらに上方修正される見通し

今期経常利益の会社予想は、徐々に上方修正されてきています。

 

全産業ベース(除く金融)経常増益率

  経常増益率
昨年12月末時点(会社予想) 約 3%
2月4日時点(会社予想) 約 5%
2月4日時点(楽天証券経済研究所予想) 9%

(東証一部上場3月期決算企業(除く金融)で、通期経常利益を開示していて前期との比較が可能な会社について、
楽天証券経済研究所が集計)

楽天証券経済研究所では、今期経常増益率が、最終的に9%になると予想していますが、これまでの決算発表を見る限り、予想は妥当と考えます。

(3)2月2~4日に業績予想の修正を発表した主要銘柄

楽天証券経済研究所が作成)
(注:SEC基準・IFRS採用企業は、連結税前利益を経常利益とした、

コード 銘柄名 修正後 修正前 修正率
6758 ソニー ▲ 50 ▲ 500 赤字縮小
3401 帝人 335 235 42.6%
4062 イビデン 260 200 30.0%
8377 ほくほくFG 420 350 20.0%
6479 ミネベア 570 480 18.8%
4528 小野薬品工業 177 157 12.7%
4202 ダイセル 545 485 12.4%
9412 スカパーJSAT HLDG 195 175 11.4%
4183 三井化学 420 380 10.5%
5803 フジクラ 210 190 10.5%
7013 IHI 620 570 8.8%
7203 トヨタ自動車 29,200 27,000 8.1%
7951 ヤマハ 300 280 7.1%
6703 沖電気工業 310 290 6.9%
7270 富士重工業 3,920 3,700 5.9%
5406 神戸製鋼所 900 850 5.9%
6448 ブラザー工業 515 490 5.1%
4612 日本ペイントHLDG 490 470 4.3%
6902 デンソー 4,000 3,850 3.9%
7259 アイシン精機 1,880 1,830 2.7%
8333 常陽銀行 430 420 2.4%
6503 三菱電機 2,900 2,850 1.8%
6995 東海理化電機製作所 305 300 1.7%
6201 豊田自動織機 1,630 1,610 1.2%
9409 テレビ朝日HLDG 165 188 -12.2%
6753 シャープ 0 500 -100.0%
5020 JX HLDG ▲ 2,100 1,800 赤字転落
5019 出光興産 ▲ 1,220 710 赤字転落

(金額単位:億円)

2015年3月期経常利益(会社予想)の修正後・修正前金額と、修正率(%)