先週の日経平均は、1週間で647円上昇して17,511円となりました。今週は、17,000円台でもみ合いと考えます。
(1)好悪材料がきっこう
年末に日経平均は20,000円へ上昇すると予想していますので、17,000円台は買い場と考えています。ただし、今週の日本株は好悪材料がきっこうして、大きくは上下とも動けないと考えます。
<好材料>
- 先週22日、ECB(欧州中央銀行)が大規模量的緩和(月額600億ユーロの資産買い取り)を発表したこと。緩和を好感してドイツ株は史上最高値を更新しました。
- 今週から始まる10-12月決算で、今期(2015年3月期)業績予想の上方修正を発表する企業が増えると考えられること。ただし、企業業績回復の勢いが弱く、市場が期待しているような業績上方修正が発表されないと、逆に悪材料になる可能性もあります。
<悪材料>
- 原油が下げ止まらず、逆オイルショックが起こる懸念が広がっていること。原油だけでなく、鉄鋼石・石炭・銅など資源全般に値下がりが大きく、ロシア・ブラジルなど資源国全般に景気が急速に悪化する懸念が出ています。
- 欧州景気が失速しつつあること。ギリシャ信用不安が再燃するリスクがあることも不安要因となっています。25日に行われたギリシャ議会選挙の開票(途中経過)で、日本時間26日午前4時30分現在のギリシャ内務省の発表によると、反緊縮財政を掲げる野党シリザが議席の半分近くを取って圧勝し、第一党になる見込みです。選挙結果が確定するのは、日本時間で今日の午後になる模様です。
- 過激派集団「イスラム国」が日本人人質1人を殺害したとされ、なお残る1人の殺害予告と脅迫が続いていること
(2)ドイツ株は、ECBの量的緩和を好感して史上最高値更新、インド株も高値更新
先週は、ドイツの株価指数(DAX)が史上最高値を更新しました。ECBの量的緩和実施で通貨ユーロの下落幅が広がり、ドイツ株の上昇に貢献しました。ドイツも日本と同じく輸出産業が強いので、通貨安はメリットとなります。また、日本と同じ資源輸入国で、資源価格急落もメリットとなります。金融緩和・通貨(ユーロ)安・資源安が、DAX上昇の追い風となっています。
(DAX指数の推移:2013年1月~2015年1月23日)
DAX指数は、2014年夏以降、欧州景気の失速を嫌気して反落していましたが、2014年末にかけてECBの金融緩和を好感して上昇に転じました。今回、ECBの大規模量的緩和で最高値を更新しました。
先週、インドの株価指数(SENSEX)も、史上最高値を更新しました。モディ首相の経済改革が効果を発揮しつつあることに加え、資源輸入国であるインドが資源価格急落でメリットを受けることも、SENSEX上昇の原動力となっています。
(3)日経平均とNYダウは、先週、上昇したものの、ともに18,000の壁を抜けず
(NYダウの推移:2013年1月~2015年1月23日)
米景気は好調だが、先行き利上げが想定されていることが、NYダウの上値を抑えています。また、原油急落で、シェールオイル採掘業者に破綻が出てきていることも不安材料となっています。NYダウが18,000ドルを超えるには、企業業績の一段の拡大を待つ必要があると思います。
(日経平均の推移:2013年1月~2015年1月23日)
日経平均も、このレポートの最初にあげたように、好悪材料がきっこうしており、18,000円を抜けて上昇するには時期尚早と考えます。
日米とも、株価上昇にとって重要なのは、企業業績です。目先、一番大切なのは、日米とも10-12月決算の中身です。日米とも、発表が始まった10-12月決算に注目したいと思います。
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