13日の日経平均は、110円安の17,087円でした。NYダウが原油先物の下落を嫌気して9日・12日と2営業日にわたって下げたことが嫌気されました。原油下落ピッチが速過ぎて、逆オイルショックが起こる懸念が強まっています。

13日のNYダウは、一時200ドル以上、上昇しましたが、大引けは27ドル安の17,613ドルと3営業日続落となりました。WTI原油先物(2月限)は、1バレル44ドル台まで急落した後に、一時46ドル台へ戻すなど、こちらも荒い値動きとなっています

(1)アメリカの消費はガソリン急落で好影響を受ける

原油下落で最終的に恩恵を受けるのは、世界中の消費者です。特に、アメリカは自動車社会なので、ガソリン価格の変動が消費者の可処分所得に大きな影響を与えます。今アメリカでは、ガソリン急落で、消費者が臨時ボーナスをもらったような状態にあり、消費拡大に寄与しています。

ただし、原油価格の下落ピッチがあまりに速いので、短期的にはシェールオイル採掘業者の破綻が増えるなどのネガティブな面が目立っています。

(WTI原油先物(期近)の推移:2014年4月~2015年1月12日)

(出所:楽天証券経済研究所が作成)

(2)日本でもガソリン価格の変動は、消費に影響を与える

(レギュラーガソリンの店頭小売価格(消費税込み)
全国平均の推移:2012年12月末~2015年1月5日)

(出所:資源エネルギー庁)

日本のガソリン小売価格は、昨年7~8月にリッター当たり約170円まで上昇した後、1月5日には一気に145.20円まで急落しました。

日本の7-9月の消費が予想以上に不振だったのは、4月1日の消費増税の影響が長引いただけでなく、ガソリン価格が170円まで高騰した影響も大きかったと見ています。

前回、日本でガソリン価格が170円まで上昇したのは、リーマンショック前の2008年4-6月でした。この時は、道路から自動車が消えました。普段、渋滞している市街地や、混雑している高速道路も、がらがらでした。リーマンショック(2008年9月15日)によって需要消失が起こったと言われますが、リーマン破綻前から、そのおぜん立ては整っていたと言えます。

私は、昨年7月にガソリン価格が当時と同じ170円まで上昇したので、同じような需要消失が起こらないか調べるために、自動車で普段渋滞する地域を見て回りました。その時は、リーマンショック前夜のように極端に道路がすいてはいるということはなく、ほっとしました。ただし、ガソリン高で明らかに自動車での外出を減らした家庭があったようで、道路がいつもよりはすいていました。

日本のガソリン小売価格は、既に消費税込みで、増税前の2013年初頭の水準まで下がっています。これですぐ消費が増えるというわけにはいかないと思いますが、時間をかけて自動車での外出が増え、徐々に消費に好影響を及ぼしていくことになると思います。

(3)日本株は買い場の判断を継続

2015年は日本の景気・企業業績の回復が鮮明になると見ています。日経平均が下げている今は、買い場との判断を継続します。