新型インフルエンザの影響緩和、2009年7-12月期から業績回復
現地コード | 銘柄名 | 株価 | 情報種類 |
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00178 | 莎莎国際控股(ササ・インターナショナル) |
3.48 HKD (10/14現在) |
株価 企業情報 チャート |
香港の大手化粧品小売チェーン、ササ・インターナショナルが、金融危機や新型インフルエンザの影響から脱却しつつある。新型インフルエンザの流行で、中国からの香港への旅行者数は5月から7月まで低迷。この影響で同社の香港・マカオの09年4-6月期既存店売上高は前年同期比3.2%増にとどまった。しかし、旅行者の数は8月から増加傾向にあり、7-9月期の既存店売上高の伸び率は約6%に回復すると見込まれている。BOCIは、2010年度の同売上高が上期の比較対象の低さを踏まえ7%増に達すると予想。11-12年度については、それぞれ9%増、5%増とみている。
同社はフレグランス、スキンケア、メークアップ小売部門で、香港市場の33%のシェアを誇る。中国では並行輸入が禁じられていることから、中国人旅行者による需要は拡大傾向にあり、引き続き貢献が期待できる。同社の小売事業は2003年度以来、毎年10%以上の増収を維持。営業利益率も、中国事業の初期投資がかさんだ2006年度以外は前年を上回っている。
09年度には経常利益の94%を香港・マカオ事業が占めたが、経営陣は様々な成長機会があったと指摘している。1つ目は自社ブランドの貢献。09年度は売上高の38.7%を占め、粗利益率(43.7%)の改善につながった。経営陣は自社ブランドの売上貢献度が50%に高まれば、粗利益率も50%に達するとみている。2つ目はターゲット層の拡大。同社はこれまでハイエンドの顧客を対象にしていたが、ローエンド層にまで広げる方針だ。3つ目はオンライン販売。ネット経由の販売は08-09年度にそれぞれ60%の成長を遂げた。特に中国本土での人気が高まっており、本土向けの新たな販路として期待される。
中国本土事業については、10年度の損失額が09年度の2700万HKドルから1800万HKドルに縮小すると見込み、11年度の損益均衡を目指している。同社は単一ブランドを扱う特別店舗やデパートカウンターの統合を検討。赤字店の閉鎖を予定する一方、複数ブランドを扱うSasa店舗については拡大方針を示している。
BOCIは同社の10-12年度利益について、中国からの旅行者の増加、中国事業の業績アップ、自社ブランドの貢献を踏まえ、それぞれ前年比18%増、25%増、20%増と予想。中国本土の富裕層の需要増により、今後も2ケタ増収と安定した利益率を維持するとしている。豊富なキャッシュフローを背景に、同社の過去7年間の配当性向は98年を除き100%を超えている。同社は無借金で6億2000万HKドルの手持ち現金を保有。3億5000万HKドル超の営業キャッシュフローにより、向こう3年間の年間設備投資額8000HKドルを確保した上でも高い配当を維持できる。BOCIは同社の株価が香港の小売大手と比較して割安と判断。株価の先行きを強気の見方に据え置いている。
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