今年も残すところ、あと2日となりました。日経平均は、今週(29・30日の2日)も続伸を見込みます。年末18,000円と予想してきましたが、ほぼ予想通りの着地になりそうです。

(1)NYダウは18,000ドル乗せ

NYダウは、米景気好調を確認し、18,000ドルを越えました。12月前半に、原油急落による世界景気不安で急落した分を取戻し、史上最高値を更新中です。

米国内で、安価なシェールガス・オイルを大量に産出するようになった恩恵が、米景気好調の根底にあります。また、景気好調にもかかわらず、米FRB(中央銀行)が「金融緩和的状況が相当な期間続く」と表明していることも、米国株の買い安心感を誘っています。

NYダウ週足:2013年2月1日~2014年12月26日

(出所:楽天証券経済研究所が作成)

(2)NYダウとデッドヒ-トを演じる日経平均は、18,000円へあと一歩

日経平均は、12月前半にNYダウとともに急落し、12月後半にNYダウとともに急反発しました。NYダウは高値を更新中ですが、日経平均は、まだ12月前半の高値(12月12日のザラ場高値18,030円)を更新していません。NYダウが高値を取ってきたこと、為替が1ドル120円台をつけていることで、日経平均も今週は、高値更新をトライしやすくなっています。

日経平均週足:2013年1月4日~2014年12月26日

(出所:楽天証券経済研究所が作成)

アベノミクスがスタートした2012年末、日経平均は10,395円、NYダウは13,104ドルでした。日経平均は円建て、NYダウはドル建てで通貨が異なりますが、通貨の違いを無視して表面上の数値だけ比較すると、日経平均10,395に対してNYダウ13,104ですから、2012年末にはNYダウの方が26%数値が上だったわけです。

そのNYダウに今、日経平均が急接近しています。2013年・14年と、日経平均もNYダウも上昇して今、両者とも18,000近くでデッドヒートを演じています。つまり、この2年間に限れば、日経平均の上昇率がNYダウよりも高く、日経平均がNYダウを追いついて追い越そうとしているところです。

(3)今週の懸念材料は、29日のギリシャ大統領選

欧州で、ギリシャ問題が再燃しています。ギリシャでは、緊縮財政を続けるギリシャ政府に国民の不満が高まっており、29日の大統領選3回目の投票でも、大統領を決めることができない可能性が高くなっています。そうなると、ギリシャで解散・総選挙が行われることになり、政権が一気に不安定化します。緊縮財政を堅持することで国際社会の信頼を維持してきたギリシャで政権不安が表面化すると、市場でギリシャ売りが再燃するリスクもあります。

今のところ、ギリシャ発で世界に信用不安が広がるリスクは大きくないと考えていますが、リスクとして意識しておく必要はあります。