2009年6月本決算はコア利益が5%増、10年度以降は買収による成長を見込む

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00825 新世界百貨(ニューワールド・デパートメントストア) 6.12 HKD
(10/07現在)
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新世界百貨の2009年6月本決算は、純利益が前年比14.8%増の5億4700万HKドルだった。純利益には、買収した昆明と寧波のデパートの再評価益3560万HKドル、アモイの店舗売却益970万HKドル、人和商業控股の株式6800万株に関する未実現利益1670万HKドルが含まれている。これらの非営業項目を除いたコア利益は前年比5%増の4億8500万HKドルと、市場予想を若干下回る水準にとどまった。

既存店売上高は前年比5%増。08年7-12月期の7.9%増を受け、同社は09年1-6月期について横ばいかわずかに上回ると予想していた。しかし、通年の結果から判断すると1-6月期既存店売上高の伸びは、競合の百盛商業集団有限公司(03368)の6.9%増やゴールデン・イーグル(03308)の14.9%増を下回っている。既存店売上高が伸び悩んだのは、経営陣が高いコミッションレートを維持しようとしたため。同社は1-6月期に前年同期比71ポイント減の20.3%にレートを下げた。百盛商業集団は同1ポイント減の19.1%、ゴールデン・イーグルは前年同期の水準を維持している。

新世界百貨はカード事業で提携する中国東北部の金融機関への債権に対し2400万HKドルの引当金を積んだ。このほかの提携金融機関の財務内容は健全であり、今後引当金を積み増す必要性はみられない。コミッションレートの低下と不良債権への引き当てにより、09年度の営業利益率は前年を1ポイント下回る36.2%となった。

同社は1株当たり0.07HKドルの期末配当を実施する方針。中間配当を合わせた年間の配当金額は前年比67%増の0.15HKドル、配当性向は46%だった。親会社から譲り受けることで交渉が進んでいる北京ショッピングモールをはじめ、今後の買収機会に備えて同社は29億HKドルの手持ち現金を維持する必要があり、今後は配当性向が30%程度に低下するとBOCIは予想している。

既存店売上高は、09年10-12月期以降の回復が見込まれているものの、09年7-9月期はほぼ横ばいだった。経営陣は10年度の既存店売上高について5%増との控えめな予想を示しており、9月に新装開店した瀋陽の3店舗の売り上げへの影響について言及していない。同社は10-11年度に5店舗を新規にオープンする予定。瀋陽Jianqiao Road店および鄭州店は11年に営業開始予定。このほか北京のShisheng、上海のChengshan、および上海宝山にそれぞれ4万平方フィート級の店舗がオープンを控えている。直営店の総床面積は10年度に13%、11年度に16%増える見通し。

BOCIは同社の10-11年度予想EPSをそれぞれ3%、9%下方修正。これにより10-12年度EPSの年間平均増加率の予想値は12%となった。10-12年の既存店売上高についても、当初はすべて8%増としていたが、5%増、6%増、7%増に引き下げた。買収による成長機会を踏まえ、株価の先行きについては強気の見方を維持している。